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【紹介・感想】ハーヴェステラ

HARVESTELLA ハーヴェステラ

図鑑コンプできたので感想などを書いておきます。

 

ハーヴェステラはスクエニのファンタジー×生活シミュレーションRPG。シリーズとかではない、独立した完全新作です。

どういうジャンルかというと『ルーンファクトリー』や『天穂のサクナヒメ』あたりが近いと思います。農業をしつつファンタジーRPGをやる、みたいな感じ。

発売当時はあんまり興味が湧かず(後に修正されましたが体験版が酷かったとの話もあり)スルーしていた作品。

結構経ってからフォロワーさんのオススメもあり、サマーセールだかオータムセールだか何かの機会で買いました。

 

先に言ってしまうと、本作はストーリー面やシナリオでなんとか支えているというゲームだと感じました。

牧場物語』のような生活シミュレーションを目当てにするとガッカリすると思います。かといってRPG部分も昨今の他のゲームと比べると微妙な出来。

特筆すべきストーリーの良さは、ネタバレになってしまうので大っぴらには勧めにくいのが難しいところ。

なので、ストーリーがあんまり楽しめなかったって人が低評価を下しているのも分かるな~という作品です。

私は幸いなことにストーリーがかなり気に入ったので、それなりに楽しむことが出来ました。

 

プラットフォームはSwitchとSteamの二つ。Switch版は体験版があります。

(※冒頭で触れた体験版が酷いというのはとっくに修正されているみたいです)

www.jp.square-enix.com

 

続きから、未プレイ向けの紹介ネタバレ有りの感想を載せていきます。

ページ後半部分がネタバレ有りになっていますので、未プレイ(未クリア)の方は飛ばしていただけると幸いです。

 

未プレイ向けの紹介(ネタバレ無し)

『死季』の謎に迫るストーリー

『死季』という、発生すると生物が死に絶えてしまう超悪天候みたいなのが存在する世界での物語。

記憶喪失の主人公(プレイヤー自身)と、遥か未来からタイムスリップしてしまったという科学者の女の子(ヒロイン)が出会うところから始まる。

主人公は農業などをして生活しながら、ヒロインと共に『死季』に連なる問題を解決するために世界を巡ります。

(※プレイヤーは男女が選べますが、差異はほぼ無いです)

 

中盤からガラッと展開が変わってくるのですが、序盤はよくあるファンタジーRPGという感じ。

この中盤以降の面白さが肝だと思うのですが……。ここがネタバレ厳禁みたいな内容なので、布教や宣伝には使えないというのが難しいところ。

 

 

サイドストーリーも話の出来が良い

ハーヴェステラはメインストーリーだけでなく、キャラの個別シナリオやサブクエストなどのサイドストーリーも出来が良いのがポイント。

どれも結論やオチが綺麗にまとめられていて、なんというか話としてよく出来てて良いな~と感じるものが多いです。

仲間キャラクターの個別シナリオも、そのキャラが抱えている問題にどう向き合っていくかなどが丁寧に描かれています。

 

問題点は、エストといっても基本あっちこっち移動して話を聞くだけなので正直かったるいだけ、というもの。

キャラの個別シナリオも、全キャラで長さを合わせるために尺稼ぎっぽい内容になっちゃってるものもあります。

ここも話の良さがゲーム性に足を引っ張られているなぁと感じた面です。

 

主要キャラクターには美麗なモデルや顔グラが用意されているものの、モブは基本モデルがほぼ使い回しで顔グラも無いのも残念。

魔物と戦う傭兵ってはずのモブが村のおじさんと同じモデルだったり、立場上は重要キャラっぽいのにモデルが黒ローブでしかないみたいなのも。話は良いのになぁ。

 

 

生活シミュレーション要素は簡素

畑で野菜を育てたり、家畜の世話をしたり、釣りをしたりといった要素がありますが、どれも生活シミュレーションゲームとしてはかなり簡素な作りです。

というのもこのゲームには時間の流れが存在し、夜になったらプレイヤーは家に帰って寝る必要があります。(深夜まで起きていると強制送還されてしまう)

午前中に畑の世話を済ませて午後は冒険に出かける……というサイクルになっている以上、一日中畑に付きっ切りでないといけないようなシステムだと破綻してしまうから簡略化されているんだろうなぁって感じです。

そんなわけで農業に関しては毎日の『作業』って感じで、正直あんまり楽しくないかもしれません。

ストーリーが進むごとに徐々に出来ることが増えていくという導線は楽しいのですけれど。

 

残念な点として、この農業要素がシナリオにほとんど絡まないというのがあります。

何のために農業をやってるかというと、ゲーム的にも資金繰りと図鑑埋めのためでしかないのです。

ストーリーの出来が良いからこそ、「これって生活シミュレーションと掛け合わせる必要あった?」という疑問が湧いてしまいます。

『サクナヒメ』とかは、米を育てることにゲーム的にもシナリオ的にも大きく意味があったのに。

 

キャラクターとの交流みたいなのは、先述の個別ストーリーを除くと皆無です。

こういうゲームによくある季節のイベントとかは一切ありませんこれで交流を要素の一つとして売りにしちゃダメだろ……って思う。

クリア後に人生のパートナーを選ぶ(要するに結婚、同性婚も可)イベントがあるんですが、同棲するようになってもパートナーには2パターンしか台詞が用意されていません。悲しい。

 

 

アクションRPGっぽいけど……

本作のバトルシステムは3Dアクションっぽいですが、アクションで何とかできる要素はほとんど無いです。レベル差が大正義。

モーションなどをFF14から流用しているのもあって、戦闘システムは簡略化したFF14という感じ。

正直に言ってしまえば『聖剣3』の劣化版みたいなものです。これ、普通にターン制のバトルで良かったんじゃないかなぁ……。

逆にアクションが苦手な人には嬉しいかも。時間さえかければ何とでもなるので。

 

ジョブや属性はたくさんあるけどほぼ全部アタッカーでしかないし、基本的に殴りまくって野菜ジュース(回復アイテム)を飲みまくるだけ。

仲間もみんなアタッカーなのと、敵も味方もAIが酷い。遠距離ジョブで逃げ回りながら戦うのが最適解みたいなところがある。

あと強敵がなんか突然消えた判定になってHP全回復するの許せない。

 

 

まとめ

総じて、話は面白くて好みだしキャラの造形も好きなんですが、ゲーム部分が悉く足を引っ張っているな~と感じた作品です。

噛み合っていない生活シミュレーションを組み合わせようとしないで、普通のRPGとして作った方が良かったのでは?と思います。

とはいえ図鑑をコンプするまで遊び尽くしましたし(終盤はもう意地と惰性でやってましたが)、決してクソゲーだったわけではないです。

オススメは……うーん、どうなんだろう……。やっぱり手放しでは出来ません。そんな作品。

 

 

 

 

 

 

 

 ※以下ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ有りの感想

【ポストアポカリプス、最高!】

個人的にポストアポカリプス(人類が終焉を迎えた後の世界の話)が大好きなので、中盤のパンサラッサジャンクションやファンタズマゴリアでテンションが爆上がりしました。

うわー!滅んだ高速道路!滅んだ遊園地! ニーアとかカービィの新作でもあったけど、滅んだ遊園地マップ好き。

 

理知的で好戦の意思も無いのに、恐れられて迫害されている魔族。それなのにサイドストーリーで出会う魔族はそんなの特に気にした様子も無い。

それが中盤に幻影城に来て、意図的に人類の進歩を止めようとしている人工知能だと分かったときは納得~!ってなりました。

ずっと人間のことを「アベル」と呼んでるのもどういうこと? って思っていたらようやく「カイン」が登場して、なるほど~!

心を持たない人工知能であるディアンサスが、結構お茶目で人間臭いのが好き。

 

アリアはタイムスリップして来たのではなく、人類が滅んだ後も眠り続けていただけ。

時が巻き戻ることは無いという結論。

ハイネのストーリーで海中にアメリカの旗が刺さっていたのとか、それが何なのかアベルたちには理解できなかったのとかも良い。プレイヤーには分かるように見せているって感じが好き。

 

 

【終盤の展開がかなりFF14】

魔王アリアは最後に残った古代人として、なりそこない達を倒そうとするアシエン・エメトセルクだし……。

ラスボス・ガイアは優しい終わりを届けるために終焉を謳うものに成ったメーティオンだし……。

これFF14すぎひん!? ってなった。いや好きなんだけど。

 

アリアがいない状態だとタイトル画面が変わるの好き。

究極の二択で三択目が唯一の正解なの好き。

主人公が何者かなのが最後の最後に明かされたけど、もうちょっと掘り下げてほしかった。

 

カレノイドのストーリーも短いけど良かった。

アベルが産まれたのは、カインの星にしようとしてきた奴が許せなかったからってワケ。

 

 

【サブストーリーも良い】

ティエラのクローンに対してのアジールの対応とかが良い。

復讐を果たしてしまった後の復讐者であるブラッカの話とかも好き。

自分の存在も記憶も創りものだと知ったユニコーンの話とかも深い。

 

妖精さん可愛いのに火の大妖精しか話に絡んでこないのが勿体ない……。

4話以降は全員揃っているはずなのに。まぁ、話の流れ的には代表が一人だけ出てくれば良いんだろうけど。

 

サブストーリーで一番好きなのが、「桜のいたずら」というやつ。

ネメアから送り主を伏せて手紙を送ったのに、何故か返信が届いた。なんでだろう? という会話で終わった後に、桜の木と花びらが画面に映って終わる。

明言はしていないけどこの桜の花びらが手紙に紛れていたからネメアから手紙が送られたんだとろうな、とプレイヤーにだけ予想が出来るというもの。

この辺のカメラの使い方? みたいなのもすごく良いなと思った。

 

【終わりに】

ストーリーが好みだったので、やって良かったな~とは思った。

アリアとディアンサス(&ガイスト)に対してどれだけ理解を示せるかが楽しめるかどうかの鍵?な気がする。スクラップドエデン以降、アベルの仲間たちが結構置いてけぼり喰らっている感じだったので……。

でも、やっぱりゲームとしてはしんどいな~というのが正直な感想。ファストトラベルが微妙に不便だとか、コロネル人形を後から確認するのが面倒だとか、細かい不満点も多い。

あと一季が30日もあるのは長すぎると思う。長くて10日でいい。序盤に春夏の作物を逃すと「来年まで待たんといかんのか……」ってなるのがキツい。

伏線を踏まえてもう一度ストーリーを読み直したくはあるけど、もう一度やるのは……いいかな……。