Sea of Stars
完全クリアできたので感想などを書いておきます。
Sea of Starsは『クロノ・トリガー』をリスペクトして制作された、クラシカルなコマンドバトルRPGです。
海外産のゲームですが、クロノ・トリガーの作曲を担当した方もゲスト参加しており、一部の曲を担当しているらしいです。
PS5、PS4、Switch、Xbox、Steam(PC)などで販売されていて、私はSwitch版で遊びました。
クロノトリガーをリスペクトしているだけあって、全体の雰囲気としてはSFCとかGBAのゲームみたいだな~と感じました。
ただし、古臭くて時代遅れだというわけではなく、昔懐かしいけど現代向けの遊びやすいゲームだと思います。
こういうドット絵のRPGが好きだって人には迷わずオススメできる良作です。
Sea of Starsは前作『The Messenger』というゲームの前日譚に当たるそうですが、そちらはやっていなくても話に問題は無いと思います。私はやっていません。
(※本作にはこいつらこの後どうなったの?って感じで終わる敵キャラがいますが、それが前作に出て来たりするのかも?)
プレイ時間は大体30時間くらいになると思います。寄り道せずにクリアだけならもっと早くなるはず。
以下、このゲームの紹介と感想です。
重大なネタバレとかは特に無いので、気になった方は参考にどうぞ。
ストーリーは王道かつ正統派
物語は『至点の子』と呼ばれる二人の主人公が、邪悪な錬金術師『フレッシュマンサー』を倒すため、仲間と共に冒険に出るというもの。
いわば「魔王を倒すために勇者が旅立つ」という話であり、これ以上ない王道のRPGだと思います。
ただ、王道だからといって古臭くて何の捻りも無いというわけではなく、随所でプレイヤーを驚かせる仕掛けや伏線が盛り込まれています。昔ながらの王道をしっかりと描いた上で、現代らしい挑戦もあるという感じ。
二人の主人公『ゼイル(太陽の力を宿した少年)』と『ヴァレア(月の力を宿した少女)』は開始時にどちらかを選ぶことになりますが、いつでも変更は可能で、どちらを選んでも特に何か変わったりはしません。
どっちが先頭を歩くかくらいの違いしかないです。
海外のゲームですが、翻訳が非常に丁寧に為されているというのもこのゲームの良いところ。
ストーリーも重視して作られているゲームなため、胡乱な翻訳で没入感を削がれないのが嬉しい。
(※なんかたまにみんなギャルみたいな口調になったりしますけど)
世界観にマッチした美麗なドット/音楽
Sea of Starsは全編がドット絵で描かれているのですが、そのどれもがとても美しく魅力的です。
感覚としてはGBAの後期作品くらいの、ドットに出来ることを最大限詰め込んだような作品を遊んでいる感じ。
キャラクターたちの動きも非常にバリエーションに富んでいて、最後まで見ていても飽きが来ません。雑魚敵の動きもコミカル。
唯一の難点としてはドットが美麗すぎるあまり「これ背景じゃなくてギミックだったの!?」となる箇所がしばしばあることかも。
冒険を彩る音楽も良く出来ていると思います。(リスペクト元であるクロノトリガーはあんまりやってないので『それっぽさ』は分かりませんが…)
Sea of Starsは太陽と月の物語でもあるのですが、それに合わせて昼と夜でBGMの曲調が変わったりするのもこだわりが感じられます。
総じて、この美しいドットと音楽が冒険を盛り上げてくれるので「歩いているだけでも楽しい」と言えるゲームだと思います。
歯応えのある秀逸なバトルシステム
クロノトリガーがベースでありつつ、マリオRPGのような要素も取り入れたターン制のコマンドバトル。
タイミング良くボタン入力することで攻撃のヒット数を増やしたり、相手の攻撃を防いだりと、ちょっとしたアクション要素もあります。
特徴的なシステムとして、敵がスキルを使おうとすると頭上にパネルが現れ、そのパネルに応じた攻撃を当てることで敵のスキルの発動をキャンセル出来るというものがあります。
(※スクショの状態だと、太陽属性を1発・斬撃属性を2発・打撃属性を1発でキャンセル可能…など)
このパネルを破壊するために技やコンボの組み合わせを上手く考える必要があり、これによってパズルゲーム的な面白さも生まれるわけです。
このパネル破壊は必ずしも正解があるわけではなく、場合によっては「手数が足りなくてどう頑張っても破壊できない!」という状況が起こり得ます。
破壊に失敗しても、壊したパネルの枚数によってスキルの威力は落ちるので、「威力を落とすために少しでもパネル破壊を狙うか」と「今回の破壊は諦めて次に備えるか」などの葛藤も生まれます。
時間が勝手に流れるわけではないコマンドバトルなので、じっくりと悩んで行動できるのもパズル要素と噛み合っている気がしますね。
後述の難易度設定にもよりますが、よく考えないと雑魚敵との戦いでも全滅する可能性があり、一戦一戦にマンネリ防止の工夫が凝らされているのが分かります。
更にボス戦はどれもアイデアに富んでいるので「そう来るか!」と驚かされつつ、初見でもちゃんと突破できるようになっているバランスなのも素晴らしい。
また、レベル上げや稼ぎなんかは特に必要なく進行できるのも嬉しいところ。
ユーザーフレンドリーな難易度設定
このゲームにはイージーモードやハードモードといった難易度設定は無く、『秘宝』というアイテムを使って設定を行います。
秘宝はいつでもオンオフが可能で、『仲間のHPを増やす』『ガードをオートで行う』『貰える経験値を増やす』などの項目があり、プレイヤースキルに合わせて調節が出来ます。
戦闘がちょっと難しいな~と感じたら段階的に秘宝をオンにしていけば良いですし、とにかくサクサク進みたい!というのであれば全部オンにしていけばチートモード並みに快適になると思います。
上述した「ちょっとしたアクション要素」が苦手な人でも、オートで成功するように設定できるのは嬉しいですね。
逆に難易度を上げることが可能な秘宝もあり、デフォルトのままだと簡単すぎるという人はこちらを使いましょう。
ただ、難易度アップの方はバリエーションが少ないのと、更に難易度アップさせるのがクリア直前に手に入る都合上、「最高難易度は2週目にやってね」って感じなのがちょっと不満かも。
この辺の秘宝による調整は報酬などには一切影響しないので、本当に自分が楽しめる難易度に調整できるというのが良いと思います。
※いわゆるトロコンには最高難易度で全ボス討伐が必要らしいですが……
ミニゲームも楽しい!
冒険の途中で立ち寄る街では『ホイールズ』というボードゲームが遊べるのですが、私は本編以上にこのミニゲームにハマりました。
といってもやり込みが発生するようなゲームではなく、スロットとポーカーを掛け合わせたような感じのゲームなのですが、これがとても楽しい。
中盤からは『ホイールズ』を遊ぶために新たな街を探して冒険したりなんかもしていました。なんなら『ホイールズ』だけのゲーム出したりしてくれないかな……。
料理や釣りなどのミニゲームもあります。料理はどれも美味しそう。
いわゆる『ちいさなメダル』のような蒐集要素やクイズゲームなどもあり、遊び尽くそうと思うと結構大変です。
クリアするだけなら全部無視してもOK。真エンドを見たいならちいさなメダルは全部集める必要がある。完全クリアはミニゲームも全部やる必要アリ。
ちいさなメダル集めが後からやると結構大変なのがちょっと不満。ダンジョンからの途中離脱が出来ないので丁度真ん中あたりにあるやつを取り逃すとめんどくさい……。
まとめ
「昔懐かしい、あの頃のRPG」といった感じの本作。
クロノトリガー等が好きな人はもちろん、そうでない人でもRPGが好きならハマれると思います。
紹介スクショのドット絵が気に入ったって人には特にオススメです。
現在、サブストーリー的なDLCを開発中とのこと。いつになるかは分かりませんがそちらも楽しみですね。