ざくざくアクターズ
魔王タワー及び水着イベント3話までクリアしたので感想などを書いておきます。
各キャラクターの詳細な感想についてはコチラ↓(ネタバレ注意)gnnnggp.hatenablog.com
ざくざくアクターズ、通称『ざくアク』はフリーで遊べるツクール製のRPGです。
アクター(役者)がざくざく、という名の通り最終的に40名近くのキャラクターが仲間になるのが特徴。
一言で言うのは何とも難しいのですが、とても濃密で面白いゲームでした。
(※以下自分語り 読まなくても大丈夫です)
私がざくアクに触れたのは初期の初期、第一章が公開されたくらいの時期でした。それが2012年だからちょうど10年くらい前のことです。
そのころはRPGツクールにハマっていて、PC版のツクールに触れたのはVXが初めてでした。
VXを色々と弄っているうちに世のツクールゲームはどうなってるのかとか知りたくなって、何かフリーゲームとか無いかなと検索してみて、VXのフリーゲームと言えば?で辿り着いたのが『らんだむダンジョン』通称『らんダン』です。
このらんダンこそがざくアクの前作(続編というほど繋がりは強くありませんが)で、こちらもすごく面白い。興味がある方はこちらも是非。
らんダンをクリアしたちょうどそのころに、制作者さんが続編であるざくアクを公開したと知ってそちらも遊んでみたのが始まりです。
ざくアクは当時は最新ツールだったVXAceを使っての作品だったこともあり、スクリプトもほとんど出揃っていないのに大丈夫なのかな?と思っていたりもしていました。
ただ、この後PCが壊れたり受験勉強したりやら何やらあって、二章以降は触れることなく10年が経過することになりました。
つい最近になって、個人で作っていた@ウィキの編集をしようと思いらんダンの攻略Wikiを参考にしていたら、何かのきっかけで続編であるざくアクのページも開いていました。
なんとなく見てみたところメインシナリオは四章分完結、クリア後ダンジョンも完成、追加の水着イベントも完成……と、10年見ない間にものすごい量のページが増えていました。こりゃすごい。
ただ、流石に10年見ていなかったからと言って10年作り続けていたわけじゃないだろうなと思ったのですが、トップページに載っていた制作者さんのツイッターを見るにどうもまだ作り続けているとのこと。
そこに「次の更新が容量的にも最後になる」と書かれてあったので、せっかくだから今のうちに触れば最後の更新に追いつけるかな?と思って始めてみました。
大ボリュームの超大作でやり込み要素も満載と聞いていたので、続けられるかな~と思っていたけど何だかんだでのめり込むようにやってしまい、濃密ですが短い期間で走り抜けてクリアしました。
ボリュームをかさ増しするために作ったという感が少なく、作っていたらこんな大ボリュームになっちゃった、というのが伝わってくる内容でした。一個一個のシナリオが本当に濃厚。この辺は後で触れます。
終わったころには10年もの間一つのゲームを創り続けて、これほど綺麗に纏めあげられるものなのか!とただただ感動したものです。
色んな媒体でゲーム制作をしてはエターなりまくってきた自分にとってはとても沁みる作品でした。
この記事を読んで何か琴線に触れるものがあれば、ちょっとでも興味が湧いたのであれば、皆さんにも是非とも触ってみてもらいたい作品です。
今なら最終アップデートにも間に合うよ!
(※自分語り終了)
ダウンロードページ↓
制作者様のブログ↓
以下、このゲームの紹介と感想です。
重大なネタバレとかは特に無いので、気になった方は参考にどうぞ。
ストーリー
色んな異世界から人間や亜人などを呼び寄せる『召喚』という技術がある世界の話。
召喚によって呼び寄せられた人々は『ハグレ』という蔑称で呼ばれ、原住民から労働力として一方的にこき使われていました。
その結果、無暗な召喚によって増えすぎたハグレ達による暴動が起こったり何だりと様々な問題が起こりました。
物語はそんなハグレの少女デーリッチとローズマリーの二人から始まります。
ハグレとして差別され定住することも出来ずに放浪していた二人は、ハグレによるハグレのための王国を建国し、そこを自分たちの居場所とすることに決めました。
そうしてデーリッチは、自分と同じように居場所を求めているハグレを王国の仲間として勧誘していくことに。それが、どんどん世界を巻き込むような大きな話になっていって……という感じのストーリー。
話を進めて仲間が増える度に、王国の拠点がどんどん賑やかになっていきます。
また、仲間は王国を発展させるために王国会議で色々な店や施設を提案したりします。
この店や施設などで冒険がどんどん豊かで快適になっていくという、ちょっとした経営シミュレーション的な要素も面白いゲームです。
大ボリュームの超大作!だけど気負わず始めてほしい
最初にちょっと触れた通り、2012年に本編第一章が公開されてから10年以上創り続けられている超大作です。
当時は最新ツールだったツクールVXAceも今や型遅れになってしまうほどに……。
今現在もなお更新が続いており、制作者様のブログでは定期的に進捗が更新されています。
こう書くとそれだけ掛かって完結してないの?と思われるかもしれませんが、本編はとても綺麗に完結しており、今制作されているのはクリア後の追加ストーリーです。
私のプレイ時間では本編クリアに60時間、(現在公開されている分の)クリア後コンテンツのクリアに更に60時間ほど掛かりました。
レベル上げとか稼ぎとかが一切必要ないとは言えませんが、それでもかなり濃厚な内容になっています。
アイテムコンプなどのやり込み要素に手を出すと更に時間が掛かりますが、やり込み様相はあくまで自己満足の範疇なのでこれによって解禁される追加要素は無いと明言されています。
これは自分もそうだったのですが、大ボリュームだからと聞いてもあんまり気負わずに、ちょっと触ってみるか~くらいの気持ちで触れてみてほしいです。
120時間というプレイ時間も「気付いたらそれだけやっちゃってた」というだけで、最初からガッツリやる気はありませんでした。
話の先が気になるな~って遊び続けていたらここまで来ちゃってたって感じです。このゲームにはそれだけ引き込まれる魅力があるんです。
様々な娯楽が溢れている今の時代で『大ボリューム』って言葉は魅力というよりもむしろ敬遠されがちな要素かもしれませんが、「そんなに時間は取れないからやめておこう」と言う前に遊んでもらいたいものです。
ユーザーフレンドリーな親切システム
ざくアクは超大作フリーゲームの二作目ということで、一作目のノウハウが充分に活かされており、あらゆる面で物凄くプレイヤーに優しい作りになっています。
例えばボス戦や初見殺しになりそうな箇所には必ず事前にセーブポイントが設置されていて、更に再戦時には戦闘前のやり取りがスキップ出来るようになっていたりと、リトライが容易になっています。
と言ってもシナリオ進行上で再トライしなければ勝てないようなボスはほぼ存在せず、初見で勝つのが難しいのは寄り道で戦える一部の超強敵くらいです。
基本的に戦闘で全滅してもゲームオーバーにならず、ペナルティ無しで拠点に戻されるだけです。またいつでも拠点にアクセスして準備やレベル上げが簡単に出来るようになっています。
シナリオの都合で負けるとゲームオーバーになってしまう場面はありますが、その場合は事前に必ず「この先の戦闘は負けるとゲームオーバーになります」という注意書きが現れます。
稼ぎ地点に戻れなくなる可能性がある場合には、セーブデータを分けるよう注意がされるあたり、徹底的に詰みを防止する計らいが見て取れます。
戦闘に参加するキャラに対して仲間の人数がSRPG並みに多いのですが、そこを腐らせずにちゃんと活かしている調整も見所です。
お気に入りのキャラだけで進めてもなんとかなったり、色んなキャラをコロコロと入れ替えまくってもなんとかなったりと、バランス調整の仕方が本当にすごい。
一方で調整のためにガチガチな制限などは掛けられていないため、面倒な敵の行動を超火力でブチ抜いてスキップする、みたいなゴリ押しプレイも許容されています。
その他、色々な面でユーザーになるべく親切にしようという細かい配慮が感じられました。
ショートカットだとか、整頓システムだとか、確認の手間を省くシステムだとか……。
ツールの問題でどうしようもない、ってところでなければ大体は対応されているあたり、超ベテランツクーラーの作品なんだなぁと思えます。
シナリオの良さは折り紙つき
前作『らんだむダンジョン』はゲーム性もさることながら、そのシナリオの良さで注目を集めた有名なフリーゲームです。
昔は「ツクール製のフリーゲームがやりたいならとりあえずこれ」とまで言われたくらいメジャーな作品でした。(今は流石にVX製は古いのかも……)
制作者様は元々SS書きだったそうで、文章が読みやすく分かりやすくテンポも良いという理想的な仕上がりになっています。
そんな前作の実績があっただけに、ざくアクも負けず劣らずの良いシナリオになっています。
クリアした後に最初から見返してみると「ここで既に語られていたのか!」と唸ってしまうくらい、ごく自然に伏線が張られていたりします。
一つ一つの山場を終える度に、誰かに話したい、誰かの話を聞いてみたいってなるくらい良く出来た面白い話でした。
話の大筋はすごくシリアスで真面目なストーリーなのですが、個性豊かな仲間たちが繰り広げるコミカルなギャグパートも大きな魅力です。
ゲームだからこそ可能な演出や表現もたくさん取り入れられており、次はどんな話が見られるのかというワクワクが先に進むための原動力となります。
シリアスな展開が続くときはこのギャグパートが恋しくなってしまうことも……。
ちなみに前作とは繋がりがあるものの、ざくアクだけでお話は完結しているので前作の知識が無くても問題ありません。
それはそれとして、前作らんだむダンジョンも上で述べたように面白い作品なのでオススメです。
オリジナリティ溢れるイラストが癖になる
ざくアクはキャラの立ち絵やカットイラスト、一部のドット絵・戦闘アニメーションまで製作者様が自作されています。
これが物凄~~~く種類が豊富で、次はどんなものが見れるんだろうというのが先に進むモチベーションになってきます。
クリア後には『水着イベント』という大型追加コンテンツがあるのですが、そこでは全員の立ち絵が水着姿に一新されるというこだわりっぷり。
スタッフルームでは「棒人間を描くのも怪しい状態でスタートした」と語られており、初期のころのイラストは正直あまり上手には見えません。
それでも描き続けてきたため、ゲーム内の後の方のイベントになってくるとめきめきと画力が上がっているのが見て取れます。
ただ、初期のころであっても「どういうものを表現したいのか」というのはちゃんと伝わってくるため、決して悪い絵ではありません。
恐らく紹介スクショのイラストだけ見ると敬遠してしまうかもしれません。自分もそうでした。
ただ、やっているうちに段々とこのイラストが癖になってきて、これじゃないとダメだな~って思うようになってきます。本当。
特に、自作のイラストにこだわり続けたからこそ出来たと言っても過言では無い、RPG史上に残るほどの名演出となっているラストバトルは見物です。
まとめ
とてもやり応えのある、やって良かったと心から思える超大作RPG。
最初に述べた通り近々最後のアップデートが行われるので、続きが気になっちゃうから全部完結してから遊びたいという人にもオススメ。
ゲームだからこそ、自分で遊ぶからこそ感じる楽しみというものが大きいので、プレイ動画とかではなく是非とも自分の手で遊んでほしい作品です。
繰り返しにはなりますが大ボリュームだからと尻込みせずに、興味を持っていただけたなら軽い気持ちで触ってみてもらえると嬉しいです。