病気についてゆる~く紹介する記事その3です。これで一旦終わり。
その1はコチラ↓
※注意
あくまでゆる~くなのでこれが絶対正しいとは思わないようにして下さい。へ~そうなのか~くらいの心持ちで読んで下さい。
ややこしい表現を避けるためにあえて簡略化・言い換えをしている箇所があります。詳しい方が見たらブチギレてしまうかもしれませんので、詳しい方は見ない方がいいかもしれません。(いい加減なことを書いているわけではないです)
病気の治療を手助けするようなページではないです。困っていることがあれば病院や薬局で相談しましょう。
病名の知名度調査にはこちらのアンケートを使わせていただきました。
回答にご協力下さった方ありがとうございます。
その3は「知名度が低めの病気」について紹介していきます。
他に比べて名前だけは聞いたことがある/聞いたこともないという回答の多かった病名が主です。
あまり知られていないけど意外と身近だったりするものもあったりします。
続きから紹介していきます。
脂質異常症
血液中に悪玉コレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)といった脂質がたくさん溜まってしまった状態を『脂質異常症』と呼びます。
基本は身体の栄養源として使われる脂質ですが、溢れてしまうと色々と悪いことが起きてしまいます。
血液中に糖分が溢れてしまっている『糖尿病』と似た病気と言えるでしょう。
・脂質が多いと何で悪いの?
血液中に溜まった脂質は血管のあちこちにへばりついたりします。
更にへばりついた脂質同士でくっついてコブのような大きな塊を作ってしまうことがあります。
コブが出来ると血液の通り道が狭くなってしまうので、赤血球による酸素の運搬が妨げられてしまいます。
狭くなるだけならまだしも、大きなコブで道が完全に塞がってしまうと血液が回らなくなります。
こうなると心筋梗塞や脳梗塞といった危険な症状に繋がってしまうわけですね。
ただし、糖分と同じように脂質も大事なエネルギー源です。
多すぎるとこのように危険な症状を引き起こしてしまうことがありますが、だからと言って全て失われるべきというわけでもありません。
・善玉とか悪玉って何?
コレステロールは油なので水(血液)には溶けることが出来ず、そのままでは血中を巡ることが出来ません。
そのため『リポタンパク質』という運び屋がコレステロールを担いで運んでいます。
リポタンパク質と合体したコレステロールのことを『LDLコレステロール』や『HDLコレステロール』と呼びます。
LD/HDは低比重/高比重という意味で、Lはリポタンパク質という意味です。
LDLコレステロールは『悪玉』とも呼ばれ、コレステロールを全身に運びます。
脂質異常症の場合、この悪玉が多くなるため全身にコレステロールが溜まってしまうわけです。
逆にHDLコレステロールは『善玉』とも呼ばれ、全身のコレステロールを回収して肝臓に送り届けます。
肝臓はコレステロールを分解して捨てることが出来るため、身体の余分な脂質を取り除いてくれるのが善玉です。
思いっきり悪とか善とか言われていますが、悪玉だってなくてはならない仕事をしているのでそうまで言われる筋合いはないかもしれませんが……。
脂質異常症になると悪玉が増えて善玉が減ります。
昔は『高脂血症』と呼ばれていましたが、善玉は減っていることが多いので『高』と呼ぶのは適切ではないなと考えられて改められました。
『高脂血症』の方が馴染み深い人もいるかもしれませんが、こちらはちょっと古い言葉になっています。
・特に何も症状なんて無いんだけど……
健康診断で脂質が多いよと指摘されても、自分ではどこも悪くないと思いがちです。
それもそのはず、脂質異常症はそれ自体に症状はなく、長く継続することで最初に述べたようなコブが出来て脳梗塞とかに繋がる……というのが問題になる病気です。
糖尿病や高血圧と同じようにコンボの起点みたいな病気の一つですね。生活習慣病とも言われます。
これらは取り返しが付かない状態になってから症状が出てくるというのが怖いところなので、やはり症状が無くとも普段の生活習慣には気を付けていきたいところです。
心不全
心臓が弱ってしまい、血液を全身に送り出せなくなってしまう病気を『心不全』と言います。
血液の流れが滞ることで様々な臓器に色々な悪影響を及ぼします。
不整脈や狭心症など、心臓に関する病気の終着点とも言えるような病気で、最終的にはみんな心不全に辿り着きます。
・そもそも心臓って何してるの?
「人間は心臓が止まると死ぬ」というのは誰でも知っていることだと思います。
心臓は全身に血液を送り出すポンプのような役割を担っていて、これが止まってしまうと全身に血が巡らなくなります。
血液はあらゆる臓器の栄養であり酸素であるため、これが入ってこなければ臓器たちはものの数分で窒息死してしまいます。
脳も臓器の一つなので心臓が止まると脳も死にます。逆に言うと心臓が止まっても僅かな時間は、脳はまだ生きているのかもしれません。
・心臓が弱るってどういうこと?
心臓は24時間動き続けているわけですが、機械ではないので体力の限界(寿命)というものがあります。
過度な負荷を受け続けると、心臓は疲れて寿命が縮んでいくわけですね。
後述する不整脈や狭心症などの心臓の病気の他、心臓に対して負荷を掛ける全ての病気は心不全に繋がる危険性があります。
ポンプである心臓が疲れて弱ると、全身に送り出す血液の勢いが悪くなり、血が充分に巡らない状態になってしまいます。
こうなると各臓器は栄養も酸素も足りなくなって困るわけですから、臓器たちはこの状況をなんとかしようと考えます。
そして、血管をギュッと狭くしたり血液の量をいっぱい増やしたりして勢いを良くしようとします。いわゆる高血圧の状態を作るわけですね。
確かにそうすれば血の巡り自体は良くなりますが、やっていることは弱った心臓に鞭を打っているようなものなので心臓は余計に疲れます。
そうなると心臓が弱ったせいで血の巡りが悪くなるのでまた心臓に鞭を打って……という悪循環を繰り返し、最後には心臓が過労死するのが心不全というわけです。
・足がむくむのは心不全の前ぶれ、みたいなことを聞いたけど……
心臓が弱って血液の流れが悪くなると、全身に血液(水分)が溜まりがちになります。
前述したように身体は血液の量を多くして心臓を働かせようとするため、この水分過多の状態をキープしようとして足がむくんできたりします。
他にも肺に水が溜まるせいで疲れやすくなったり、息苦しかったりするのが心不全の初期症状として重要とされています。
ただし、足がむくんだり腫れたりしたからといってそれが必ず心不全の前兆だとは限りません。
足のむくみが現れる病気は他にも色々ありますし、健康な人でも長時間立ったり飛行機に乗ったりすれば足がむくみます。
放っておいてもむくみが治らず、他にも気になる症状が出ているなら病院で診てもらうと良いでしょう。
不整脈
この図↑は医療ドラマとか、そうでなくても色々な場面で見かけたことがあるかと思います。
これは心臓がばっくんばっくん動いているリズムを表している心電図というものであり、これが止まると心臓の動きが止まってしまったということになります。
ピーっという音と共にこの図が一本線になって「ご臨終です」というシーンは誰もが知っていることかと思います。
心臓は規則正しく動くため、いつもこのように同じリズムを刻みます。
ですが、なんらかの原因でこのリズムが乱れてしまった状態を『不整脈』と呼びます。
・不整脈だと何が悪いの?
心臓の内部は上下と左右の四つの部屋に分かれています。
上の部屋が「動かすぞ!」という信号を下に伝え、それを受け取った下の部屋がギュっと縮まることで血液が送り出されます。
こんな感じで収縮と拡張を繰り返して「ばっくんばっくん」という動きが出来ているわけです。
しかし、何らかの原因でリズムが速くなってしまうと、上の部屋は焦って「動か動かす!動かすぞ!動動か動かすぞ!動!」みたいな動揺した信号を下に送ってしまいます。
これを受けて下の部屋は「は?どういうこと?」となって困惑しながらも一応収縮はしますが、指示がめちゃくちゃなのでちゃんとは伝わりません。
更にこれが酷くなると「動かssssssssssssssssssssssssssssss!!!」みたいな速すぎてもはや何を言ってるのか分からない信号になってしまいます。
そうなると流石に下の部屋も「なんじゃこりゃ」となって収縮を止めてしまい、血液を送り出さなくなってしまうことがあります。
これが『心室(心房)細動』と呼ばれる、不整脈が一番酷くなった致命的な状態です。
・不整脈なのに治療しなくて良いってどういうこと?
不整脈は全部が全部致命的な状態に発展するとは限りません。
例えばすごく緊張したり激しい運動をしたりすれば、心臓の鼓動が速くなるのはイメージしやすいと思います。
もしその状態で心電図を測定したら、リズムがとても速くなるので不整脈だと診断されてしまいます。
流石に激しい運動の後に心電図測定なんかはしないでしょうけど、測定しているときに緊張しちゃって脈が速くなるのはどうしようもないことです。
なので、病的な傾向や症状が見られないのであれば多少の脈の乱れは放っておいた方がむしろ良いとされています。
昔は軽い脈の乱れに対しても不整脈の治療をしていたのですが、そのせいで逆に不整脈が悪化することが多かったそうです。
・AEDって不整脈を治してるの?
AEDは最初に述べたような『心室細動』と呼ばれる意識を失うような致命的な状態になっている人に対して使います。
AEDは日本語で言うと『自動体外式除細動器』で、『除細動』というのはつまり(心室)細動状態を取り除くという意味ですね。
原理としては心臓に電気ショックを与えて「正しいリズムはこうじゃ~~~!!」と強烈に教えてやるというわけです。
この合図を受け取った心室(心臓の下の部屋)は正気に戻り、正しいリズムを取り戻して再び血液を送り出します。
血液の流れが止まるとものの数分で脳などの臓器が死んでいくので、救急車が来る前にAEDで初期治療を行うのはとても大切です。
狭心症(&心筋梗塞)
心臓は24時間年中無休で働き続けていますが、流石に何のエネルギーも無しに動いているわけではありません。
心臓の表面には『冠状動脈』という小さな血管が張り巡らされていて、心臓はそこから血液を受け取っています。
逆に心臓はそこを通さないとエネルギーを受け取れません。心臓の内側にはいっぱい血液があるわけですが、それをちょろまかしたりとかは出来ません。
この『冠状動脈』が狭くなったり詰まってしまったりすると、心臓は血液を受け取れなくなり、エネルギー切れで動けなくなってしまいます。
このように冠状動脈が狭くなる状態を『狭心症』、狭くなるどころか塞がってしまう状態『心筋梗塞』と呼びます。
・狭心症と心筋梗塞はどう違うの?
大雑把に言うと狭心症が酷くなったものが心筋梗塞です。(※狭心症にならずに突然心筋梗塞になる場合もあります)
冠状動脈が狭くなると心臓への血液が足りなくなるので胸が苦しくなります。これが狭心症の発作です。
ただし冠状動脈が狭くなるのは一時的なもので、多くの場合は数分で元に戻り、じっとしていれば発作は収まります。
一方で冠状動脈に血栓(血の塊)などがすっぽりハマって塞がってしまうと、血液の供給は足りないどころかストップしてしまいます。これが心筋梗塞。
血栓は手術などで取り除かないと退いてくれないので、狭心症と違って発作が自然に治まることはありません。
死の恐怖を感じるほどの痛みが数時間も続くのが心筋梗塞の発作です。
この状態が続くと心臓の機能がどんどん死んでいって戻らなくなるため、一刻も早く治療を受ける必要があります。
・どうして狭心症になるの?
動脈硬化というのは高血圧などで血管に負荷が掛かり続けた結果、血管が硬く分厚く狭くなってしまった状態です。
更にこの動脈硬化によって血管に傷がついたせいで、それを塞ぐように血が塊を作って血栓になります。この血栓は心筋梗塞の原因にもなります。
こう考えると全てが高血圧からスタートしているので、やはり高血圧というのは恐ろしい病気です。
(※高血圧・動脈硬化以外が原因であることももちろんあります)
・『ニトロ』を持ってるって聞くけど?
狭心症の人が持っている『ニトロ』というのは『ニトログリセリン』というお薬のことです。
これは冠状動脈を広げてくれる作用があるので、発作時に使うと痛みが早く治まります。
多くは錠剤なのですが飲み込まないで舌の下に置くようにして溶かす、という変わった使い方をするのが特徴です。
口の粘膜から吸収すれば胃や腸からよりも素早く心臓に作用するのでこのようになっています。
ニトロと言うと爆弾(ダイナマイト)を思い浮かべるかと思いますが、実際にそうです。あのニトロと同じ成分です。
ただ、これは「鉛筆とダイヤモンドは同じ炭素だ」というのと同じ話であり、この薬を口に入れたからって爆発なんてしません。
名前のイメージで使用を敬遠して狭心症が悪化したなんて話もあります。悪い薬じゃないのにね、ニトロ。
脳卒中(脳内出血&脳梗塞)
脳の血管に何かしらの障害が起こり、脳にダメージを負った状態を『脳血管疾患』あるいは『脳卒中』と呼びます。
『卒中』という言葉には「突然意識を失って倒れる」という意味があり、その言葉通り危険な状態になります。
・『脳梗塞』じゃないの?
脳血管疾患(脳卒中)は脳の血管に関する病気を纏めた言葉です。
脳がダメージを受けるパターンは大きく分けて二つあり、一つは血管が破けてしまった場合、もう一つは血管が詰まってしまった場合です。
破けてしまった場合を『脳内出血』や『くも膜下出血』と呼び、詰まってしまった場合を『脳梗塞』と呼びます。
脳に何かしらのダメージがある=脳梗塞 とは限らないというわけですね。
とは言え脳卒中の中では脳梗塞が一番頻度が多いので、脳卒中=脳梗塞というイメージが定着しているのかもしれません。
・脳内出血と脳梗塞の違いは何?
どちらも脳にダメージを負うので、意識を失ったり激しい頭痛や麻痺などの重い症状が起こることが多いです。
なので、そういった症状が現れた場合はすぐに救急車を呼んで治療を受けましょう。
意識を失うまでいかないにしても、呂律が回らなくなったり立てなくなったりフラフラしたりという、経験したことが無いような症状が起こるのが特徴です。
脳卒中によって一度死んだ脳の神経は復活しないため、治療が遅れれば遅れるほど後遺症が重くなってしまいます。一刻も早く救急車を呼びましょう。
脳内出血は主に高血圧で脳の血管に傷がついてコブが出来てしまい、そのコブが破裂することが原因で起こります。
それによって脳の内側に余計な水分(血液)が入り込むので、脳がむくんでしまうのですが、脳は硬い頭蓋骨に覆われているので膨らむにしても限界が来ます。
そうなると仕方が無いから首側に膨らもうとしてしまいます。こうなると延髄という大事な箇所が潰れてしまうことがあります。(脳ヘルニアと呼びます)
延髄は呼吸を調節している部分なのでここが壊れると呼吸が出来なくなり死んでしまいます。やばい。
脳梗塞には色々種類がありますが、こちらも主な原因は高血圧です。
高血圧で脳の血管が固く狭くなったところに血栓(血の塊)が詰まり、その先の脳細胞に血液が行き渡らなくなるのが脳梗塞です。
血液が来なくなった脳細胞はどんどん死んでいってしまうのでこれもやはり早めに治療しなければなりません。
・『くも膜』って何?
頭蓋骨と脳本体(『脳実質』と呼びます)の間には空間があり、そこは硬膜、くも膜、軟膜という三つの膜で区切られて三層構造になっています。
『くも膜』というのは『蜘蛛の巣』の意味で、文字通り蜘蛛の巣のような網目構造になっているからその名が付いたそうです。
最初の方で述べたように『くも膜下出血』は『脳内出血』の仲間で、同じように高血圧が原因で出来たコブが破れることで起こります。
くも膜と軟膜の間には『脳脊髄液』という無色透明の液体が満ちているのですが、くも膜下出血を起こすと弾けたコブのせいでこの髄液に血液が混ざってしまいます。
髄液に混ざってしまった血液は色んな神経を刺激してしまい、激しい頭痛を起こしたりするのがくも膜下出血の特徴です。
位置的には『脳外出血』とも呼べるような病気ですが、なんかそれだと頭から血が噴き出してるような感じなので伝わらなそうですね。
・若くてもなっちゃうの?
脳卒中で倒れるのは中高年というイメージがありますが、頻度は高くないものの若い人でも起こり得ます。
これまで述べたように、原因としては高血圧などの生活習慣病が特に大きいので、若くても心当たりのある人は気を付けましょう。
気を付けましょうったって突然起こるものなので気を付けようがないと言えばそうなのですが……。あまり乱れた生活習慣は良くないよねってことで。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
タバコを吸い続けると身体に良くないというのは誰でも知っていることかと思います。
では具体的にどう良くないのか? というのを証明するのが『COPD(慢性閉塞性肺疾患)』という病気です。
もちろん、タバコにはこれ以外にも肺がんなどの病気を引き起こすリスクがあります。
・何で急に横文字?
「慢性閉塞性肺疾患」というのをいちいち書くのが大変なのでChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字を取って呼ばれています。
病名はこれ以外にも英語で略されまくることが多いので、COPDだけが特別英語で呼ばれているわけではないです。
COPDは最初に述べたようにタバコが大きな原因で、長期の喫煙によって肺と気管支がダメージを受け続けてボロボロになることで発症します。
タバコを長く吸い続けるほどダメージが蓄積されていくため、喫煙歴が長い人ほど発症しやすいです。
肺が壊れる『肺気腫』と気管支が壊れる『慢性気管支炎』という二つの病気を併せて『COPD』と呼び、多くの場合二つセットで罹ります。
昔は『肺気腫』ばかりを重要視していたのですが、今はセットなんだから『COPD』と呼びましょうよってことになっています。なので『肺気腫』なら聞いたことがあるって人はいるかもしれません。
・COPDになるとどうなるの?
『肺気腫』では肺が壊れるので空気の交換が上手く出来なくなります。
この状態で運動すると酸素の供給が追い付かず呼吸困難に陥ります。要するに息切れしやすくなります。
酷くなってくると何でもないような動作でも呼吸が苦しくなるようになり、日常生活に支障が出てきます。
『慢性気管支炎』では空気の通り道である気管がボロボロになります。
そのせいで異物を押し流す機能が弱くなるため、これをカバーするために咳や痰をいっぱい出して異物を外に出そうとします。
タバコを吸ってるおじさんが痰を飛ばしまくっているのはそういうわけです。
痰は菌やウイルスにとってジメジメしていてとても居心地の良い環境なので、痰が多いと感染症に罹りやすくなりますし、痰が出過ぎて喉が詰まってしまうことも起こり得ます。
・ぜん息とはどう違うの?
どちらも呼吸が辛くなる病気なので、使う薬は結構似通っています。
大きな違いとして肺が壊れているのがCOPDで、肺自体は正常なのが気管支ぜん息といったところでしょうか。
一度壊れた肺が元に戻ることは無いため、COPDでは生き残った肺の機能を大事に使うようにする治療しか出来ません。
後で後悔しないためにも、タバコは止められるときに早めに止めておきたいものですね。
関節リウマチ
『リウマチ(リューマチ)』という単語は、温泉の効能とかで見たことがあるかもしれません。
日本では『リウマチ』と言えば『関節リウマチ』という病気のことを指します。
一方で欧米では関節、骨、筋肉がこわばったり腫れたり痛んだりする病気をひっくるめて『リウマチ性疾患』と呼びます。
リウマチというのは『流れる』という意味が語源で、昔は悪い体液が流れて集まったところに症状が出るのだと考えられていました。
・どういう病気なの?
関節で炎症が起こり、骨や軟骨が段々と壊れていく病気です。その際に関節の腫れや痛みを伴います。
他の関節の病気と違い、関節を動かさなくても痛みが起こるのが大きな特徴です。
最初に小さな関節に症状が現れ始め、徐々に大きな関節にも腫れや痛みが現れます。これが全身の色んな関節で多発的に生じます。
また、関節以外にも症状が出ることがあります。これも他の関節の病気とは違う点です。
発熱したり、疲れやすくなったり、時には肺炎などの一見関係なさそうな症状まで起こすのがリウマチの特徴です。
・どうして起こるの?
関節リウマチはアレルギー疾患の一種です。
免疫が暴走して関節で炎症を起こし、炎症した関節が更に免疫を活性化させる成分を出すため悪循環が起こり、終いには骨が壊れてしまうというわけです。
そのため、関節リウマチはアレルギーを抑える薬を主に使います。
関節の病気にはヒアルロン酸を注射する、なんてのを聞いたことがあるかもしれませんが、あれは関節リウマチとはまた別な病気の治療に使われるものです。
関節リウマチは女性の方が発症しやすく、年齢では30~50代が多いです。
早いうちから骨の破壊が起こってくるため、症状に気付いたらなるべく早く治療を行えば関節の破壊を食い止めることが出来ます。
逆に放っておくと取り返しが付かないことになっていたりするため、思い当たる節があれば見て見ぬ振りをせずに診察を受けましょう。
・温泉に入れば治るの?
温泉の効能に「リウマチに効く」とかがあると思います。
リウマチは温めると症状が和らいだり、水の中なら地上に比べて運動がしやすいため、温泉はリハビリに最適だと言われています。
関節が痛むからと放っておくとこわばって固まってしまうので、なるべく動かしておきたいわけですね。もちろん、激しい運動はダメですが。
ただ、温泉の成分がリウマチを治してくれるのかと言ったらそれはちょっとよく分からないです。
普通に考えればそんな魔法の泉みたいなのがあるのなら、こんなに苦労はしませんからね。気休め程度のものだと思われます。
パーキンソン病
『パーキンソン病』は脳の神経に異常が起こり、特徴的な運動障害が生じる病気です。
分類としてはアルツハイマー型の認知症に似ていて、同じく高齢者になるほど発症しやすくなります。
あまり有名ではない病気のように思われますが、発症頻度はアルツハイマーに次ぐくらい多かったりします。
名前の由来はイギリスのパーキンソンさんが見つけた病気だからです。アルツハイマーと同じですね。
・特徴的な運動障害って何?
私たちが手足を動かさずに保っていられるのは、無意識に色んな神経が働いてその形をキープしようとしてくれているからです。
パーキンソン病ではこの無意識に運動を制御してくれる神経が異常を起こしているため、ただ座っているだけでも手足が小刻みに震えてしまいます。
また、重心をコントロールしてくれるのもその神経であるため、ちょっとぐらついただけで簡単に倒れたり転んだりしてしまいます。
このように、身体の自由が効かなくなるという症状が現れるのがパーキンソン病の特徴です。
重要なのは脳の病気であり、怪我などの外傷のせいで動き辛くなっているわけではないということです。
・老化による症状とは違うの?
パーキンソン病はアルツハイマー型認知症と同じく、高齢になるほど発症しやすい病気です。ただし、脳の病気なので若い人でも起こることがあります。
パーキンソン病ではドパミン(ドーパミン)という成分が不足するのですが、統合失調症では逆にこのドパミンが溢れているせいで症状が現れます。
なので統合失調症の治療薬(ドパミンを抑える)が効きすぎるとパーキンソン病みたいな症状が起こることがあります。(この場合『薬剤性パーキンソン症候群』と呼びます)
逆に、パーキンソン病の治療(ドパミンを増やす)で統合失調症のような症状が起こることもあります。この二つは表裏一体の関係にあるというわけですね。
手足が震えたり身体の自由が効かなくなるのは、年を取れば誰だって起こるものです。
なので正直なところ手足の震えが歳相応のものなのか、パーキンソン病によるものなのかというのは、高齢になるほど分からないものです。
若いうちからそのような症状が出ていたり、歳相応で片付けて良いものなのかな?と思ったら医師に診断してみると良いかもしれません。
パーキンソン病はじっくり長い時間をかけて悪化していく病気なため、早期に発見できれば悪化を食い止めることが出来ます。
・運動障害以外にも何か起こるの?
パーキンソン病の代表的な症状は手足の震えなどの運動障害ですが、その他にも色々な症状が付随してきます。
脳の病気であるため、運動を司っている神経以外にもダメージを受けてしまう神経があるということですね。
最も多いのは便秘で、高齢者では更に認知症やうつなどの精神症状が出ることもあります。
【リンク】
その1:メジャーな病気
その2:知名度そこそこの病気
その3:マイナー気味な病気
(今ココ)