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【紹介・感想】ファイアーエムブレム エンゲージ

ファイアーエムブレム エンゲージ

外伝を含めて全章クリアしたので、感想や紹介などを書いておきます。

仲間ユニットなどの詳細な感想については別な記事にする予定です。

 

 

任天堂の手強いシミュレーション、ファイアーエムブレムシリーズの最新作。

前作『風花雪月』が発売されたのが2019年の7月なので、SRPGとしての新作は実に3年半ぶり。(※SRPGでなければ、間に風花無双が出てます)

発表当時はかなりカラフルで現代的なキャラデザに加えて、奇抜なシステムが賛否両論を呼び……っていうかエムブレマーは新作が発表されるたびに「前の方が良かった」って言うので、これはいつものことだと思います。

 

発売直前に公開されたインタビュー記事ではSRPGというジャンルが初めての人でも遊びやすいように間口を広げた』という旨があり、やっていても確かにそうだな~と感じる作りになっていました。

個人的にはif、風花雪月と続いていた選択による大きなルート分岐が無くなった(一周で全クリになる)、というのが大きいと思います。結構な時間を喰うSRPGで、二周も三周もしないと真相に辿り着けないっていうのはなかなかキツいですからね……。

過去作キャラの力を借りてド派手な必殺技が使うというエンゲージシステムも大味なゲームバランスになるのかと思いきや、爽快感を生みつつも切りどころを考える必要のある戦略性の高い要素に仕上がっていました。

 

ただ、既に方々で言われていることだとは思いますが、今作はシナリオ・ストーリー・テキストなどの粗が全体的に酷いです。

これは決してシリーズファンが「こんなのはFEじゃない!」って騒いでるわけではなく、一つの作品として酷い部分が多いのです。(全部が酷いわけではなく、良い部分もちゃんとあります)

SRPGとして面白いならそういうのは別に気にならないって人なら大丈夫かと思いますが、そうでない人は覚悟がいるかもしれません。

 

 

Q.

結論としてこのゲームは買い?

 

A.

人によります、としか言えません。大雑把にまとめると……

シリーズ初めての人→SRPGの楽しさを触れるのにちょうどいいかも

前作(風花雪月)から入った人→風花みたいなのを期待してたらガッカリするかも

シリーズファン→自分で考えよう。過去作のキャラ崩壊みたいなのはあんまり無いです

 

www.nintendo.co.jp

続きから、このゲームの詳しい紹介と感想です。

重大なネタバレは控えているものの、序盤や中盤の展開などをちょっとネタバレをしてしまっているため、少しも情報を入れたくないという方はご注意下さい。

 

はじめに

筆者はファイアーエムブレムシリーズの大ファンで、シャープとか無双などを除けば大体の作品は遊んできました。FEHもリリース当初から遊び続けています。

世代としてはGBA作品をガッツリやり込んでいたので封印烈火あたりに愛着はあるものの、それはそれとして新作が出たら毎回すぐに買って遊んでいるタイプです。

そんなわけで、シリーズファンとしての目線で紹介を書いています。初めてファイアーエムブレムに触れた人の感想、ではないのでご了承ください。

 

難易度:ハード・クラシック(巻き戻しは多用しました)

DLC:なし

プレイ時間:約60時間

 

 

シナリオ・ストーリー

※いきなり批判的な内容が続きます

 

シナリオライターが『あの人』

発売直前に、覚醒・ifを担当したシナリオライターが再びメインとして起用されている……ってことが噂になって尻込みした人は多かったと思います。全部クリアしてスタッフロールを確認しましたが、事実でした。

覚醒ifのシナリオや台詞回しなどが色々と稚拙だったというのは、既プレイヤーなら知っていることかと思いますが、エンゲージも大体同じ感じです。

覚醒ifで見た覚えのある展開、見た覚えのある台詞回し、見た覚えのあるやり取り……それを足して割らずに出された感じ。

 

今作はマルス、ロイ、アイク……といった過去作の主人公たちが『紋章士』(スタンドとかサーヴァントみたいなもの)として話の主軸に関わってきます。いわばシリーズのお祭り作品。

なのですが、このシナリオライターは自分が担当していないシリーズ過去作に対して、喧嘩を売るような発言をネット上に公開して炎上したことがあるんです。「サイファ(FEのカードゲーム)さっさと潰れてくれ」みたいな。

別に過去作に愛情を持ちなさいよなんて話ではなく、その立場でそんなことを公に言っちゃうようなリテラシーの無い人間を、よりにもよって過去作を絡める『エンゲージ』という作品のシナリオライターに起用するのはどうなの?というのが問題なわけですね。

なんでもかんでもシナリオライターが悪いって言いたいわけでもなくて、この人をまた起用した企業側にも不信感が募っちゃいますね。

 

 

持ち上げられまくる主人公

本作の主人公『リュール』は、名前と性別は選べるものの、容姿や性格・喋る内容などは完全に固定されています。

容姿や性格をある程度カスタマイズできた過去作の『マイユニット』とは異なり、前作のベレト/ベレスに近い感じ。一方でドラクエの主人公並みに無口だった先生とは異なり、リュールはバリバリ喋りまくります。

名前が変えられるってだけでプレイヤーの分身とは程遠い存在なので、正直名前も固定で良かったんじゃないかな~と思います。折角フルボイスなのにリュールだけ名前を呼んでもらえません。

 

それはさておき、主人公のリュールは千年前から眠りについていた『神竜』と呼ばれる存在です。この世界における守り神みたいなもの。

ただし、リュールは目覚めた時点(=ゲーム開始時)では記憶を失ってしまっており、自分が神竜だったことも覚えていません。

それなのに序盤からずっと出会う人出会う人、みーんなリュールのことを「流石神竜様!」「神竜様はすごい!」「神竜様尊い……!」ってめちゃめちゃに崇めて褒めまくってきます。

私はこれがものすごく気持ち悪かったです。まだ何も為していないのにめちゃくちゃに崇め奉られるんです。

「生きてるだけで偉い!」って褒められるの、実際はこんなに気持ち悪いんですね。何もしてないのに……違う……私は偉くなんてないんだ……私は……私は……。

 

メインストーリー以外の仲間との会話などでも、事あるごとに「神竜様は凄い!」「神竜様は尊い!」と褒め讃えられる流れになります。

大体のプレイヤーはリュールに対して全然共感なんて抱けていない状態なので、そこまで持ち上げなくても良くない?って、ずーっと薄ら寒い気持ちで神竜様万歳を眺めることになります。本当にキツい。

『謙虚に見えてとんでもなく自己評価の高いナルシスト』っていう性格のキャラが後の方で仲間になるんですが、そんなキャラでも「私より神竜様の方が似合いますね」みたいなことを言わされています。やめてくれ。

 

極めつけには物語中に「貴様ら何者だ!?」って突っかかってくるキャラクターが結構な頻度で登場するのですが、そこでリュールが「私は神竜と申します」と言うだけでみんな「神竜様ー!?先程は無礼な態度、失礼しましたー!!」となります。

本当にただ名乗っただけで誰も疑うことなく全面的に信頼して崇め奉ってくるので、催眠アプリでも使ってんのか?って気分になってきます。

訝しむ相手の前で何か成し遂げたから信頼を勝ち取る、とかではなく、神竜だから全身全霊で信仰される。愛してくれる。脚本という強烈な力で守られている。

要するに大事な過程を全部すっ飛ばして「神竜様はすごくすごくて尊い」ってことだけをアピールされまくるので、見ていてキツいんだと思います。

思えばifのカムイもそんな感じでしたね。こちらは神竜という神様的な立場な分、より酷くなっている気がします。

 

 

展開の都合でものすごくバカになるキャラクターたち

ここが本当にエンゲージのシナリオのダメな点だと思っていて、最初に決められたストーリー展開をなぞるための理由付けに『キャラクターがものすごくおバカさんになっている』としか解釈できない手法が度々取られているのです。

具体的な例を挙げると、敵将を倒した後に「追い詰めたぞ!」とか言ったら敵将が「ここで捕まるわけにはいかないから逃げる!」って言ってきて、それで何の理由もなくただただ取り逃がします。手負いが走って逃げるのも捕まえられないクソバカ。

他にも女王を捕まえておいて人質とか盾にすることもない超紳士的な敵とか、超重要なアイテムを特に理由なく手放す間抜けな敵とか、敵も味方も展開の都合でアッパラパーのおバカさんになっちゃっています。

 

何も1から100まで理由を説明しろってわけではなく、行間が何も読み取れないから「登場人物がものすごいバカだったからこうなったってこと?」としか考えられない展開を何とかしてほしかった。

例えば、中盤の山場に『敵のボスたちに囲まれて退路も塞がれた状態で次の章に……』ってシーンがあるのですが、次の章は特に何の説明もなく脱出できた状態から始まります。何故か取り囲んで絶対的な優位に立っていたはずの敵のボスたちは、後ろから追いかけてくる状態になっています。

絶望的な状況を切り抜けて始まる理由とかが本当に何も無いんです。「後ろから追って来る敵から逃げるマップをやりたい!」ということしか伝わらない。敵のボスたちが揃ってクソバカ間抜けだったとしか説明がつかない。

 

更に、メインストーリーでは仲間になった各国の王子王女が主人公と共に今後のことを話すシーンなどが度々挟まるのですが、ここに先述した神竜様万歳シナリオが合わさるせいで、王子王女もとんでもないおバカさんにされたりします。

「そんなことを思いつくなんて流石は神竜様だ!」って展開にするために、頭が良いはずの王子王女たちが、困難にぶつかると困難な状況を説明するだけの阿呆になりがち。

個々の支援会話などを読むとそんなことがないのに、神竜様やメインストーリーが絡むと途端におバカさんになってしまいます。

なんというか、定められたシナリオに右倣えさせるためにキャラクターが操られている、という感じが透けて見えてしまうというわけですね。

 

 

唐突すぎる母親の死亡

主人公のリュールには、千年前からずっと目覚めを待ってくれていたお母さんがいます。お母さんの名前はルミエル。

ルミエルは神竜の王様なのですが、リュールは記憶喪失中なのでお母さんのことも覚えていません。

優しいルミエルは「目覚めたんだしこれからゆっくり思い出していけば良いのよ」ってフラグめいたことを話して……その直後に死にます。

チュートリアルの1,2章を終えて、3章目くらいに死んでしまいます。歴代でも父親や母親がストーリーの途中で亡くなる流れはありますが、今回は最速です。

母親の死をきっかけにリュールは神竜として、平和を乱す邪竜を倒すために旅立つ決意を固めます。

 

それ自体は良いんです。ルミエルの死にはちゃんと意味があるし、終盤にはこの時の伏線もしっかり回収されます。

ただ、ルミエルが死ぬムービーがやたらと迫真で長いのが問題なんです。記憶喪失のはずのリュールは、出会ったばかりのはずのルミエルの死に涙を流して「母さん死なないで」と叫びます。

これが十章くらいストーリーを進めて、リュールとルミエルについて分かってきたころに訪れる悲劇なら良いんです。でもまだチュートリアルが終わったばっかりです。プレイヤーからするとリュールもルミエルもよく知らない、赤の他人です。

それなのに長々とお涙頂戴の死に際ムービーを見せつけられます。これにどう感情移入すればいいんだ?という冷めた気持ちでずっと眺めるしかないのです。早送りも出来ない。

 

最序盤に死なせるなら、死んでしまったキャラの重要性については後からプレイヤーに気付かせるような仕組みにすべきだと思いますしプレイヤーを泣かせたいならそのキャラに愛着を持たせてからお別れさせるべきだと思います。

物語の都合で最序盤にお別れさせないといけないけど、母親が死んで泣ける展開もやりたいから同時に詰め込もう!っていうのが感じられます。そのせいで見事に『二兎を追う者は一兎も得ず』になっている。

大半のプレイヤーはこの時点で主人公に共感なんて抱けなくなるでしょうし、「このゲーム大丈夫か……?」って不安を抱えてしまうと思います。まだ3章なのに……。

 

 

終盤の流れは良い

ここまで散々な悪口を書きましたが、シナリオが全部悪いというわけではありません。

特にシナリオ終盤はとても熱く盛り上がる展開になっていますし、30年以上歴史を重ねてきた『ファイアーエムブレム』だからこその話になっているとも言えます。

ただ、そこまで辿り着くのが非常に辛い……。前述の母親の死神竜様age展開の都合でバカになるキャラクターたち……これをどんどん叩きつけられます。中盤あたりは本当にキツくて脱落する人もいるかもしれません。

とにかく主人公リュールが神様(ライター)に愛されすぎているせいで、リュールのための物語にされているのをひしひしと感じられてしまうのがキツい。私は中盤あたりからはもうリュール喋らないでくれ……ってなりました。

ちゃんとリュールが好感が持てるような、共感しやすいような主人公であったのなら(そのつもりで作られたらしいですが、とてもそうは思えませんでした)終盤の展開ももっと盛り上がれたのになぁ……。

 

総評すると、序盤~中盤でどんどん期待値が下がり、終盤でちょっと持ち直したという感じ。と言っても終盤が良いからってそれまでの負債を帳消しに出来たとは到底思えない。

ぶっちゃけ中盤過ぎたあたりからどんどんどうでも良くなってきたので、正しい評価は出来ていないかもしれません。人によっては終盤もつまらない出来だと感じるかもしれません。

序盤~中盤が本当に酷いのでここで脱落する人が多く、ここだけを切り抜かれて酷評されがちだろうな~というのが予想できます。

そんなわけでプレイヤーにはちゃんと終盤までやってほしいゲーム。開発にはちゃんと序盤~中盤の酷さを受け止めてほしいゲーム。

後述するゲーム部分は面白いですし、ストーリーももっと良く出来たんじゃないかと思ってしまう。なんか、色々と勿体ないんです。惜しいな~って感じなんです……。

 

 

ゲームシステム

エンゲージシステムは好印象

今作の目玉でもあるエンゲージシステム指輪に宿る英雄(マルスなど)から力を借りてパワーアップする、というものです。

出撃前にマルスの指輪やらセリカの指輪などを味方ユニットに装備させておいて、出撃中に『エンゲージ』コマンドを使用すると一定ターンの間トランス状態になります。

例えばマルスとエンゲージするとレイピアやメリクルソードなどの武器が使えるようになったり、7~9回連続攻撃を仕掛ける『スターラッシュ』という必殺技が使えるようになります。

セリカとエンゲージすれば、エンジェルの魔法やリカバーの杖が使えるようになり、敵の目の前に自分をワープさせてライナロックをぶちかます『ワープライナ』という必殺技が使えるようになります。

 

このようにエンゲージ中はド派手でインチキじみた必殺技が使えるのですが、これらはエンゲージ中に一度だけという制約が課されています。

更にエンゲージは一マップで出来る回数が限られているため(※難易度によるかも)、どのタイミングで使用して切り札である必殺技を使うか、という読みが必要になっています。

なので決して強いキャラをエンゲージさせて突っ込ませれば良い、というバランスではなく、派手な見た目に反して頭を使う戦略性の高い要素になっています。

発売前の情報ではエンゲージが強すぎるんじゃないかな~と思っていたものの、実際にやってみると非常に面白くて良く出来たシステムだと感じました。

 

必殺技だけでなく、エンゲージ中は英雄の武器が使えるようになるわけですが、それは元のクラスに関係なく使用が出来ます。

つまり、槍しか使えないアーマーナイトでも、マルスとエンゲージすればレイピア(剣)が使えますし、セリカとエンゲージすればエンジェル(魔法攻撃)だって出来ちゃいます。

これによる、ユニットと指輪の組み合わせを考えるという楽しさもエンゲージシステムの面白いところです。

マルスを元から剣が得意なユニットに持たせても良し、剣が使えないユニットに持たせても良し、あえて魔法使いに持たせて物理攻撃にも対応させるのも良し……という感じ。

指輪の組み合わせによって全然違う運用方法を考え付いたり、自分なりの常勝戦法みたいなのが構築出来たりと、プレイヤーによって千差万別の遊び方が生まれるわけですね。

早い段階から指輪がどんどん手に入るので、使っているうちに遊び方が分かってくるのも嬉しいところ。

 

 

頭をフル回転させてクリアに導く、手強いシミュレーション

先述のエンゲージシステムもそうですが、今作はSRPGとして出来が良いです。ちゃんと頭を使わされている、と感じながらプレイすることが出来ます。

シリーズ恒例の三すくみの復活に、それに伴うブレイクシステム。攻陣や防陣をアレンジしたチェインアタックなど、エンゲージ以外にも色んなシステムが増えています。

煩雑で分かりにくいだけかと思いきや、そのどれもがちゃんと戦略性を引き上げる要素として光っているのが感じられます。

 

今作の大きな特徴としてほぼ全ての敵将が動いてくる、というものが挙げられます。

従来の作品では敵将は城門や玉座で待ち構えているものだったのですが、今作は攻撃範囲に入れば突っ込んで来ることが多い。

それに合わせて取り巻きも動いたり、増援が取り囲んできたりと、マップ攻略は最後まで気が抜けません。ちゃんとボスが手強いのは嬉しいですね。

 

突っ込んで来る敵将もそうですが、今作の戦闘は要所要所で「ここでエンゲージを切らないと死人が出る!」って場面が訪れます。

そんな風に戦闘マップでは毎回考えさせられて、新しい体験をさせてくれる作りになっているので、SRPGとして遊んでいてとても楽しかったです。

こう書くと難しくて取っ付きにくそうな印象を受けるかもしれませんが、セーブロードやターンの巻き戻しなどの便利機能もあるため、初心者にとっても遊びやすいゲームだと思います。

 

 

後から加入するユニットが軒並み強い

ファイアーエムブレムはシナリオ進行に伴ってどんどんと新しい仲間ユニットが加入するのですが、今作は基本的に後から加入するユニットの方が強いというバランスになっています。

これらの追加ユニットは初期値だけ高くて成長率が悪いというわけではありません。普通に育ちます。

初期値が高くて、成長率も良くて、場合によっては個人スキルも強くて専用クラスまで持っているなんてことも。

例えばエーティエという女の子の弓使いは3章で加入しますが、7~8章あたりで加入するスタルークという王族の弓使いは、エーティエよりも優秀なスキルと専用クラスを持っています。明確な上位互換です。

更には後半になって最初から上級職で加入してくるユニットも、最初から上級職は弱いというシリーズの概念を覆してみーんな強いです。(※この概念自体は随分昔に崩れていますが)

新しく加入したユニットをどんどん一軍に投入して、序盤から育ててきたユニットはどんどん二軍落ちさせる……というスタイルが一番効率的になってしまっています。

 

ただ、これはある種仕方のないことだとも言えます。

後半に加入するユニットが足を引っ張るような弱さだったらほとんどの人に使ってもらえないわけですから、気に入った時点で一軍に投入しやすい強さになっているのは良いことだと思います。

それに、後から加入する方が強いとはいえ、序盤から育ててきたユニットもそのまま育て続ければちゃんと戦えます。

更には指輪を装備してエンゲージさせればどんなユニットもエースになれるようになっているため、ユニット間の格差というのも埋めやすくなっています。

まぁ、それでも専用スキルや専用クラスと言った埋めがたい差があるのは確かなんですが……。エーティエのスキル弱すぎるだろ。

 

 

低レベルのユニットを育成するのが難しい

今作は聖魔や覚醒、エコーズなどと同じワールドマップを採用していて、メインストーリーとは別の遭遇戦(雑魚戦)も自由に行うことが出来ます。

遭遇戦は特に縛りなどはなく時間経過で自動的に湧きまくるので、やろうと思えば無限に経験値を稼ぐことが出来ます。

ただし、遭遇戦はマップのどこで発生しようが、こちらのスタメンに応じたレベルに調整されてしまいます。(※未検証)

どういうことかと言うと、レベルの低い雑魚敵は出て来ないというわけですね。どこで戦っても丁度良いレベルの相手と戦えるようになっています。

しかし、『丁度良いレベル』というのはスタメンにとっての話です。二軍落ちしてレベルが周回遅れになったユニットを育てるにはキツすぎます。

例えば聖魔の『ヴェルニの塔』なんかはエリアによって出る敵のレベルが固定なので、エリアを選べば低いレベルのユニットを育てることが出来ました。エンゲージではそれが出来ません。

 

そんな仕様から、後から加入したユニットをどんどんスタメンに起用して、二軍落ちしたユニットはずっと二軍のまま……っていうのが普通になってしまっています。

せっかくワールドマップがあって自由に育成ができるシステムなのに、たくさんのユニットを使えないっていうのは損だなぁと思いました。

この仕様のせいで後から低レベルのユニットの支援会話を回収するのもキツいです。遭遇戦の敵はみんな待っていないで突撃してくるルーチンっぽいので……。

 

 

キャラクター

派手なキャラデザは意外と気にならない

今回のキャラクターデザインは全体的に派手派手の派手柱です。

もの凄い色のツートンカラーになっている主人公リュールしかり、すんごいカラフルで奇抜な服装のキャラクターがたくさん登場します。

ファイアーエムブレムは白兵戦を主とする戦争を題材にしたゲームなので、キャラデザはその時代に沿った、落ち着いた感じが多かったかと思います。

今まででもそこそこ攻めたデザインはあったものの、全体的にここまで派手なのは初めてですね。

 

なんというかVtuberの集団かな?って感じのキャラデザなので、苦手な人は苦手かと思います。かくいう自分も発表時は「派手すぎて嫌だな~」と思っていた方でした。

ただ、実際に遊んでみると意外と嫌悪感は湧いてこないというか、これはこれでアリだなって思えました。上手く説明できないけど。3Dモデルがよく出来てるから?

なので、派手過ぎて嫌だな~って思っている人も、やってみれば意外とそうでもなくなるかもしれません。個人の意見なのでずっと嫌なままで終わる人もいるかもしれませんが。

 

 

デザインに追いついていない時代設定

キャラデザは意外と気にならないとは言ったものの、ちょっとした違和感はあります。

これだけレベルの高い衣装が普通に流通している世界なのに、やっていることはアカネイア大陸のころと変わらない白兵戦なわけです。

デザインは現代的なのに、ストーリーの時代設定が止まっているのはどうして?って感じがちょっとあります。

間口を広げるために現代向けにしたって話ですから、キャラデザだけでなくこういう時代設定も合わせて冒険してほしかったな~と思います。

まぁ、ここは本当に気になる人は気になる程度だとは思いますが。

 

 

みんな濃いキャラ付け……だけど、キャラ同士の支援会話は悪くない

シナリオライターの癖なのかもしれませんが、覚醒ifでもあった『属性が服を着て歩いている』問題。

今作もその例に漏れず、キャラクターたちは第一印象から「こういう属性のキャラだよ~!」って言うのをバンバン押し出してきます。更にはどいつもこいつもキャラが濃い。

そんな感じでキャラクターの属性を見せようとするあまり、濃いキャラ設定の割には中身の無いテキストだなぁ……と感じてしまうことが多いです。

今作はifと同様に『王族キャラ+二人の臣下』という組み合わせが必ず仲間になります。そして王族は必ず二人きょうだいという組み合わせ。

それが悪いわけじゃないんですが、無理にその枠に収めなくても良いのにな、と思うケースがあるのも気になりました。

 

濃いキャラクターは別に問題ではないんです。もともとファイアーエムブレムは駒でしかなかったユニットに、個別に個性を吹き込んだことでヒットしたSRPGです。

何が悪いのかと言うと、前述のように展開の都合で個性を捻じ曲げられてしまっていることが問題なのです。

例えば、ラピスという女の子は王族スタルークの臣下として加入するのですが、初対面の印象が最悪です。神竜に対して誤って攻撃してしまったスタルークが土下座して謝っているのに、なおも挑発するような台詞を吐いてきます。

しかし、その後の支援会話などを読み進めると、ラピスはそんなことをするような子ではないことが分かってきます。どうしてこんな子があんな挑発を……?って感じで、謎が深まります。

こんな感じで、最初に決めたシナリオに沿うように捻じ曲げられたんだろうな~、というのが伝わってきてしまうわけですね。

 

一方で、キャラクター同士の支援会話は良く出来ていると思います。属性を押し出しているものも確かに多いですが、読んでいて惹かれるものがあるのも確か。

ただし、主人公との支援会話となると変になってしまうものが多いです。前述の神竜崇拝主義のせいで変におバカさんにされちゃっていたり。

そんなわけで、主人公が関わる会話はメインシナリオライターが担当して、関わらない会話は別な人が担当しているのかな……?と臭ってしまうような出来になっています。

シナリオライターがどこからどこまで担当しているのか、何人がどのように担当しているのか、そういうのは色々あるでしょうから憶測です。見当違いのことを言っていたらすみません。

 

 

過去作キャラクターの扱いは丁寧

前述のように、今作はマルスなどの過去作キャラクターが『紋章士』という存在として出演します。

紋章士はストーリー上のほか、仲間ユニットとも『絆会話』(ちょっとした支援会話みたいなもの)で会話することがあります。

こういうお祭り作品で危惧されるのは過去作キャラのキャラ崩壊や二次設定の逆輸入などですが、本作はあまりそういうのはありませんでした。(※筆者が見た範囲の話です)

腹黒属性が足されたマルスとか、女キャラに靡くようなアイクとか、そういうのは無いので安心して見られます。

 

ただ、ストーリー上での出番はマルス以外は少な目で、絆会話も基本的に一言二言だけなのであんまり喋りません。

(※絆会話は全味方ユニット×全紋章士×三段階あるので、支援会話並みの文量を入れられたら読む方も困りますけど)

紋章士はあくまで『平和のために力を貸してくれる英霊』という立場なので、あんまりエンゲージ世界に干渉するようなことはしないというわけですね。

なので、お祭り作品らしいガッツリしたクロスオーバー展開を期待していた人にとっては物足りないかもしれません。

 

 

演出面

技術の進歩に追いついていない古典的な手法

エンゲージはシリーズ初のフル3D、フルボイス作品となっています。

前作の風花雪月でも充分綺麗なモデルだったと思うんですが、今作は更に3Dモデルが綺麗になっています。前述の派手なキャラデザが浮いていません。

それに応じて平面的な立ち絵を使用しなくなったものの、演出の手法が2D立ち絵時代から進歩していないという問題があります。

 

それが特に顕著なのが、戦闘マップが始まる前に敵将と会話を交わすシーン。

大抵の場面で、まるで日常会話でもするかのような近い距離で話をした後、戦闘マップに移るといきなり敵将が遠いところに移動している、という手法が取られています。

この手法自体は過去作でもあったものですが、今作はフル3Dという点のせいで違和感が際立つようになってしまっています。

ただ、過去作は近付いて話した敵将がテケテケ歩いて戻ったり、ワープで玉座まで移動したりと、一応戦闘開始前に離れている理由があったわけですが、今作はそれすらありません。

目の前にいる敵将とダラダラ話をして、「戦闘準備を!」って言って戦闘マップ画面に移ると何故か敵将がめっちゃ離れてます。なんでやねん。

 

 

キャラクターの棒立ち問題

エンゲージのイベントシーンやムービーシーンは全て先程の3Dモデルを使って行われています。

その際、ほとんどの場面でキャラクターが棒立ちしてしまっているという問題点があります。(腕組みなどの仕草を取ったりはします)

個人的に、これがテキスト面と同じくらい大きな問題だと思っています。

 

日常会話や進軍中での会話などなら気にならないのですが、敵軍と一触即発の会話をしている場面でもキャラクターは武器も持たずに棒立ちして話します。

敵がこんなに近くにいて、いつ戦いになってもおかしくない……あるいはまさに戦っている最中でも、ただ突っ立って会話をします。

毎回突っ立った状態でべらべら長々と話すので、読んでいて違和感がすごい。武器を構えて「何時でも戦えるぞ!」って感じで威嚇しながら話しているだけでも印象はだいぶマシになると思うんですが……。

なんとムービーシーンですら武器を持っていないことが多いです。バリバリ戦闘中だってのに、何で? シリアスなシーンなのに急に手ぶらで現れたりするものですから笑ってしまう。

前述の古典的な手法とこの棒立ちの違和感のせいで、没入感は大きく削がれてしまいます。ぼーっと見てないで動けや~~~。

 

恐らく、この現象はキャラクターが自由にクラスチェンジできるというシステムによって生じているのだと考えられます。

例えば主人公のリュールは初期クラスでは剣が使えて、序盤に仲間になるアルフレッドは槍を使うナイトのようなクラスです。どちらも初登場のムービーでは剣や槍を振るって戦う姿が描かれます。

ただ、クラスチェンジが自由という都合上、人によってはリュールが魔法使いになっていることもありますし、アルフレッドが拳で戦うモンクになっていることもあるかもしれません。

そのため、初登場以降の『クラスが不明な状態』ではリュールもアルフレッドもイベントシーンで武器を構えることをしなくなります。どんな武器を使うのか人によって変わっちゃいますからね。

そういう事情があるのは分かるんですが、ずっと棒立ちされるのが本当に気になるのでこれはどうにかしてほしかった……。

クラスを固定にして自由度を下げたくないのなら『どんなクラスでもイベントシーンでは槍を振るうアルフレッド』とかにしても良かったと思います。ツッコミは入るでしょうけど、棒立ちの没入感阻害よりはずっとマシだと思う。

 

あと、せっかくの3Dモデルなのに、どんな場所でもみんな突っ立って似たようなアングルだけで喋り続けるのも勿体ないな~と思いました。

座ってみたり散らしてみたりアングル変えてみたりすれば、もうちょっとメリハリ出せただろうにな~って感じ。

 

 

主要キャラクターしか登場しないイベントシーン

ファイアーエムブレムには仲間キャラクターのHPが0になると死亡し、以降二度と登場しなくなるという独自のシステムがあります。これが『手強いシミュレーション』たらしめているわけですね。

しかし、このシステムは現代ではもう時代遅れと言わざるを得ない仕様になっています。誰か死んだらリセットして初めから、なんてとても娯楽に溢れた現代向けじゃありません。

そんなわけで『新・紋章』あたりからはキャラクターが倒れても死亡しない『カジュアル』モードが追加されるようになりました。

それに対して従来通りキャラクターが死亡する設定で楽しみたいという人は『クラシック』モードで遊べば良い、という住み分けが為されています。

 

最新作であるエンゲージも当然ながら『カジュアル』と『クラシック』が選択できるようになっています。

ただし、キャラクターが死亡しない『カジュアル』を選んでいても、『クラシック』がある都合上、メインストーリーでは展開上死なない(HPが0になっても撤退する)重要キャラクターしか喋らないようになっています。

エンゲージでは主人公の他に、四つの国の長子たちが重要キャラとしてこの不死身設定を与えられています。一方で、彼らの弟妹たちは不死身設定がないため死亡が起こり得るようになっています。

そんなわけで弟妹たちも王族という重要な立場であるのに、登場章を過ぎると他のモブキャラと同じ扱いになってしまいます。全然イベントシーンやムービーシーンに出て来なくなるのです。セリーヌなんて見た目からしてめちゃくちゃヒロインっぽいのに……。

 

と言っても、これは従来の作品でもあった仕様です。FEではキャラロストが起こり得るので、基本的にメインストーリーは主人公+αで回すようになっています。

ではエンゲージは何故それが気になるのかと言うと、ここまで述べてきたように重要キャラがメインストーリーだとおバカさんにされて棒立ちしているから、システムに逆らってまで生かされている意味を感じないのです。

長子が死ぬと話がややこしくなっちゃうから生かされているとしか思えない。こいつら武器も構えないので一緒に戦ってきた仲間感が全然ないよ。

 

そんなわけで、個人的にはエンゲージではクラシックモードを廃止して、カジュアルモードに統一してしまえば良かったんじゃないか?と感じました。

はい、エムブレマーの皆さん。石を投げないで下さい。「そんなのFEじゃない」なんて言葉は百も承知で御座います。まぁ聞いて下さいよ、ね?

カジュアル統一ならどんなプレイヤーでも仲間キャラが全員加入して全員生存するわけですから、長子だけでなく弟妹達もメインストーリーに普通に出せるようになると思います。(神竜様ageさせられるなら出ない方がマシとか言われたりしてますけど)

 

それに、今作は『戦争』や『人殺し』については結構ふわっとした捉え方をしているのです。戦う敵も『異形兵』というモンスターがほとんどですし、人間の敵将はこちらがトドメを刺す前に逃げてしまうことが多い。味方サイドの手を人の血で汚したくないという意図が感じられます。

それは別に良いと思います。あんまりその辺に突っ込んだ暗くて重い話は好きじゃない、って人も多いでしょうから。

問題は、主人公たちがシステム上確かに人殺しをしていて手が汚れているはずなのに、『これは正義の殺しだからセーフなんです』みたいな感じで脚本が言い訳じみた綺麗さの主張をしてきたりすることです。

これが個人的には非常に不快でした。正義の棒で気持ち良くブッ叩くことを『勧善懲悪』と主張して良いものなのだろうか?

それならいっそカジュアルで統一してしまって、味方側の『死』を無くし、人間の敵も全部『倒すだけで命は奪ってない』ということにしてしまえば良いと思うんです。それなら人の血で手が汚れることもありませんし、重いテーマに触らずに済む。

そんなのファイアーエムブレムでやるなと言われたらそれまでなんですけど……。

 

 

その他の細かいところ

オシャレだけど不満な所が多いUI

今作はSRPGとして面白いとは言いましたが、UIなどの細かい点については不満なところが多いです。

シリーズが長いので遊びやすく洗練されている部分ももちろん多いのですが、今作は画面のオシャレさや綺麗さみたいなのを優先したあまり不便になっていたりするところがあります。

中にはオシャレでも何でもないのに、なんでこんな不便な仕様にしたの?みたいなのもあります。

 

例えばユニットを掴んだ時のユニットコマンドで、エンゲージやエンゲージ技はコマンドの一番上に来ます。使って欲しいから、目立たせたいからなんでしょうが、使いどころを見極める必要のある切り札なのに、連打で押してしまうようになっているのは如何なものか。

また、今作は体格武器の重さが復活したのですが、武器の情報欄には重さではなく計算後の速さが表示されてしまいます。これが便利なようで不便なんです。重さ表示に切り替えることも出来ますが、画面によっては切り換えられない時もあります。

他にも、戦闘準備画面で『配置変更』をしないとマップのユニット情報が見れません。今までのようにキャンセルを押すと『ワールドマップに戻る』となってしまいます。あんまり使わないんだから、ワールドマップに戻る方をコマンドにしてほしかった。

 

その他、アイテムをまとめ買い出来ないとか、押しにくい+ボタンや-ボタンに重要なコマンドがあてがわれているのとか、敵の攻撃範囲表示が見辛いとか……何かと細かい点で不満が多いです。

遊ぶのに支障が出るほどの致命的なものは無いものの、やっているとちょくちょく引っかかる点が多いという感じです。

一方でフル3Dを活かしたオシャレさが全部悪いってわけではなく、ユニットを選ぶとぬるっと動いてポーズを取ってくれたりするのは見栄えが良いし面白いと思います。

 

 

散策マップが面倒くさい

もはや最近のSRPG作品では恒例となってきた散策によるRPG要素。トライアングルストラテジーとかでもあったし、流行りなんでしょうかね。

風花でもあったような拠点を散策するモードの他、マップクリア後にそのエリアを散策して仲間たちの話を聞くモードもあります。

これは正直賛否が分かれるものだと思っていて、歩き回れるのが楽しいという人もいれば、面倒くさいから嫌という人もいるでしょう。自分は後者です。

 

散策マップでは落ちている素材などのアイテムがあるので、拾わないと損だな~とは思うのですが、面倒くさい。一応『絆の欠片』というアイテムは自動回収してくれるんですが、じゃあ他の素材も全部自動回収してくれってなります。

ただ、ちゃんと隅々まで走り回る必要があった前作とは違い、今作の落ちているアイテムは別に拾わなくても構わないようなどうでもいいものが多いです。それに気付いてからはもうスルーするようになりました。

拠点はもう錬成用の石を拾うか、修練所か指輪の間を使うくらいで……って、毎回使うはずの修練所や指輪の間がロードが必要な別空間にあるのはどうしてなんでしょうか。不便極まりない。

 

戦闘後の散策マップでは、仲間たちがマップ内に散らばっていて、一人一人の話を聞くことが出来ます。

重要キャラとかには青い吹き出しマークが付いていて、物語に沿った話をしてくれます。そのほかのキャラクターも、その戦場で感じたことなどを話したりしてくれます。

ただ、戦闘に参加して活躍した/活躍できなかったキャラクターは、「今回はこんなに敵を倒せました」とか「今回はあまり活躍できなかったけど、次こそは頑張ります!」みたいな台詞を言うようになります。

それ自体は別に良いんですが、この戦果報告が上述の台詞よりも優先されてしまうため、よく使ってるキャラクターほど戦果報告ばっかりしてきて、物語や景色に対する話をしてくれなくなります。

敵の非道な作戦のせいで燃え上がった村を見てみんな心を痛めているって状況なのに、たくさん敵を倒せて嬉しいという報告をしてくるサイコパスが多発してしまうのはちょっとなんとかしてほしかった。

あと、しばらく戦場に出していないキャラも戦果報告と同じように「また一緒に戦わせてください」とか言うようになります。

前述したように全員を満足に育てられるようなゲームじゃないので、結構な頻度でこの台詞を言われ続けるのは普通に嫌です。

 

 

つまらないミニゲーム

話が進んでくると、拠点で様々なミニゲームが遊べるようになります。

前作にもあったような釣りのほか、リズムゲームのような『筋肉体操』空を飛びながら的当てをする『ドラゴンシューティング』など。

一見するとトンチキだけど遊んでみたら面白い……というものなら良かったのですが、これらは一回やっただけで底が見えてしまうようなつまらないミニゲームです。

拠点が寂しいから無理に置いて水増ししたのか?としか感じられない。ミニゲームを作るならもっとハマれるものを作ってくれ……。

 

他にも紋章士との絆を深める『指輪磨き』……は本当に意味が分からない。不評だったifパルレをマイルドにした感じ。

あと、マイルームで眠る選択をするとランダムでキャラが起こしに来てくれたりします。イヤホン推奨のボイスで。なんでASMR?

変なマスコットキャラ『ソラ』のお世話をするのは楽しい。これでパルレしたかった。

 

ミニゲームをやることで得られるメリットもあるのですが、どれも微々たるもの。

一切触らないでクリアしても問題ありません。というかメリット目的でやるのは時間の無駄レベルだと思います。私は途中から触るの止めました。

なんかもうちょっと面白いものが作れたと思うのになぁ……。

 

 

まとめ

長々と、それも批判が多めで語ってしまいました。どうもお付き合いありがとうございます。

正直、序盤~中盤のシナリオが本当に酷くて、最後までクリアしたら酷評しまくってやるっていう怨念でプレイをしていたものです。

ですが終わってみるとSRPGとしてはかなり楽しめましたし、終盤はストーリーも良かった。……が、それで酷さをカバー出来ているかと聞かれたら、そうとは言えない。

なんというか、つくづく惜しいな、と感じたゲームでした。神ゲーになれるポテンシャルはあったはずなのに、色んなところでコケまくっている。

 

総評としては、SRPGとしては面白い。でもUIなど不便な点が足を引っ張る。

シナリオやテキストは基本酷いけど、良いと言える部分もちゃんとある。

やっぱり人によるな~と思うので、オススメできるかどうかは人によります。

 

シリーズファンで、覚醒ifが本当にめちゃくちゃ嫌いって人はやめた方が無難です。

覚醒ifはそんなに好きじゃないけど、良いところもあったんだけどな~、って考えの人なら私と同じような結論に至るかもしれません。

覚醒ifが普通に好きな人なら問題なく楽しめると思います。

 

以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。