ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション
6(グレイガ)をクリアしたので感想とか紹介を書いておきます。
ロックマンエグゼとはGBAの発売と同時にシリーズ第一作が出た、いわゆるローンチタイトルです。
その後もシリーズの続編はGBAで出続けて、最終作の6が出る前にはもうDSが世に出ていたものの、ハード移行することなく6もGBAで出て完結しました。
GBAで始まってGBAで終わったという、まさに「アドバンス」を代表する作品だと言えます。
アドバンスドコレクション、通称アドコレはこのエグゼ1~6がセットになったというものです。(諸々のエグゼ外伝作は流石に入っていません)
エグゼはDSでリメイクが出たりバーチャルコンソールなどで販売したりしてはいたものの、こうして纏めて遊べるようになったのは初めてのことだと思います。
筆者はドンピシャGBA世代で、元々ロックマンが好きだったこともあって、エグゼも毎作発売日に買って楽しんでいました。
ただ、6が出るころにはもうDSが主流になっていたのもあり、エグゼ4・5の落ち込みもあったので6だけはスルーしていました。
折角の機会だったので、アドコレは6だけ遊ぶつもりで買ってみました。
6だけのつもりが面白すぎて結局他シリーズもやりまくる……なんてことにはならず。結局、6(グレイガ)をストーリークリアした程度に落ち着きました。ファルザーとか他のシリーズはまたやる気が出たら……。
現在はSwitch、PS4、PCで遊べます。私はSwitch版を購入しました。
オンラインでの通信対戦が可能ですが、クロスプレイは未対応(PS4の人はPS4同士でしか通信できない)なのでフレンドと遊ぶ予定のある人はプラットフォームを合わせる必要があります。
以下、大人になったネットバトラーの感想です。
※いつもの作品紹介とはちょっと毛色が違うかもしれません。
ロックマンエグゼシリーズ
初めに、ロックマンエグゼという作品について簡単に紹介したいと思います。
「ロックマン」というと青い棒人間が豆粒みたいな弾を撃っている図を思い浮かべると思いますが、大体あっています。
あの8bitのロックマンは「無印」とか「本家」とか呼ばれていて、そこからいくつもの派生作品が生まれてきました。
『エグゼ』も派生作品のひとつで、ロボット工学が発展した本家の舞台とは違って、ネットワーク社会が発達した近未来を舞台にしたお話です。(いわゆるパラレルワールド)
本家で登場したロボット(ガッツマンとかエアーマン)なども、エグゼ風のデザインになってネットナビとして登場したりします。
ほとんどがアクションゲームだった本家とは異なり、エグゼはジャンルとしてはRPGに分類されます。
RPGといっても戦闘はロックマンを操作して戦うアクションなのですが、「バトルチップ」というカードのようなものを使うカードゲーム的な要素も組み合わさっているのが特徴。
更にロックマンをカスタマイズや、バトルチップの収集や組み合わせなどでより強くなっていきます。
エグゼシリーズは対象年齢が明確に低年齢層向けとなっていて、かつてはコロコロコミックでコミカライズされていたりアニメも放送されていたりしました。主人公の熱斗君も小学5年生です。
そんなわけでインターネットや人工知能をテーマにした近未来の話とは言え、ノリや展開は基本的に子どもにも分かりやすく作られています。小難しい話はあまり出てきません。
インターネットを使って悪事を働く悪い大人たちを、熱斗君とロックマンのコンビがぶっ飛ばして世界を救うというのがいつもの流れです。
アドコレの特徴
アドコレはVol.1とVol.2に分けられていて、Vol.1には1~3、Vol.2には4~6が入っています。
3以降はポケモンのようにバージョン分けがされていたのですが、それもどちらも選べるようになっています。
纏めて買うと安くなりますが、とりあえず触って試してみたいって人はVol.1だけ買ってみるのも良いかも。
基本はオリジナル版そのまま
アドコレの収録作品はリメイクではなく完全移植に近く、オリジナルそのままのゲーム内容になっています。
バグや裏技なんかも、発生してしまうと進行不可能になるような致命的なものは修正されているようですが、それ以外は基本的にはそのままらしいです。
例えば、悪名高い「プリズムフォレストボム」なんかも当時のまま。わざわざ「残してありますよ~」と紹介されているほどです。
※エグゼ2で「プリズム」というチップと「フォレストボム」というチップを続けて使うと、何故かありえない大ダメージが発生してラスボスも0.1秒で撃破できるというバグ
画質の向上
アドコレはちゃんとSwitchやPS4に合わせた画質になっていて、無理に引き延ばしたりした感じも無くとても見やすいドット絵で動きます。
やる前はドット絵に対してメッセージのフォントが綺麗すぎてちょっと違和感あるな~とは思っていたものの、やっているとすぐに慣れます。
ただ、セリフは原作そのままなので、ほとんど漢字が使われていないのが大人としては非常に読み辛かった……。
最近のポケモンみたいに漢字変換モードとかもあったら良かったんですが、それはちょっと高望みしすぎか。
バスターMAXモード
全作品で、いつでも(バトル中であっても)オンオフが出来る公式チートシステム。
これをオンにすると、なんとロックバスターの威力が100倍になり、豆粒数発撃つだけで全てのボスが即死します。
要は初心者救済の一種で、これを使えば基本どんなバトルも楽に勝てます。(当時のまま普通に遊びたければオフにすればOK)
普通に遊ぶとバトルが結構難しく、かつ時間のかかる作品なので、忙しい現代人にとっては嬉しいスキップ機能と言えますね。
ただ、時間かかる原因ってクソ面倒くさい『おつかい』だと思うので、どうせなら移動時間を短縮する機能も欲しかったところ。エンカウントゼロだとか、2倍3倍速モードみたいな。
改造カードが使い放題
エグゼ4~6には『改造カード』というシステムがあり、『カードe+』と呼ばれる現物のカードを使うことでゲーム内のロックマンを強化することが出来ました。
この改造カードの種類は非常に豊富で、まさに自分だけのロックマンをカスタマイズできる夢のような機能でした。
そう、本当に夢のような……ガキにはとても手の届かない機能でした……。
というのも、実際にこの機能を使いたいときはそのカードを持っていればいいわけでは無く、専用の読み取り機械やら、それをセットするアドバンス本体がもう一台いるやら、通信ケーブルも必要やらで……。
これらを子どものお小遣いで揃えるのにはちょっと無理がありますよね。当時周りで持っていたやつを見たことがないです。
それがアドコレには全部収録されていて、自由に好きなだけ使えます。すげ~。カードのイラストもバッチリ見られます。すげ~。
6しかやるつもりが無かったのに買った最大の決め手はこれです。ガキの頃の夢が叶いました。
あと、設定画やラフ絵、イベントで公開されたイラストなどなど、エグゼに関連するイラスト資料も大量に見ることが出来ます。ファンには嬉しい特典ですね。
オンライン対戦が出来る
GBA時代はネットに繋ぐ通信機能なんてものは無かったため、物理ケーブルを繋いでローカル通信を行うのが限界でした。
アドコレはしっかりオンライン対戦に対応していて、オンラインで世界中のプレイヤーとネットバトルができます。ランクマッチもあります。
上述の改造カードも使用できるレギュレーションもあるようです。(ごく一部の改造カードは容易に詰みを発生させるので禁止らしい)
バランス崩壊レベルのバグや裏技は、対戦モードでは修正されているらしいです。先述のプリズムフォレストボムとかがそうですね。
筆者はオンライン対戦には手を出していませんが、これが楽しみだったって人もいるのではないでしょうか。
エグゼ6(グレイガ)の感想
ここからはアドコレで初めて触った、エグゼ6の感想です。(バスターMAXモード含め、改造カードなども使用しない状態でプレイしました)
エグゼ1~5をやっていたのが小中学生くらいの頃だったので、記憶は大分薄れてはいましたが操作方法は身体がバッチリ覚えていたのでちょっと感動しました。
あの頃の私……見ているか……? 今でも私はネットバトラーだぜ……。
※6のネタバレを含むのでご注意下さい
バトルがかなり爽快で楽しい
4・5はかなりチップの火力が低く、ボス戦はおろか雑魚戦にも苦戦することが多かった印象があります。
一方で6はその反動のせいなのか、全体的にチップの火力がめちゃくちゃ上昇しているように感じました。
序盤から強力で使いやすいチップがバンバン手に入るので、雑魚戦もボス戦もサクサク。
チップコードも揃えやすいのでフォルダの回転率も良いです。高火力を求めるとカスタム画面で1~2枚しか選べない……なんてことが無い。
ソウルユニゾンはリンクという新しい要素に取って代わり、チップの生贄が必要なくクロス状態になれるようになりました。
ソウルユニゾンのために使いにくい系統のチップを入れなくちゃいけないみたいなのも無くなったので、フォルダ構築の自由度はかなり上がったと思います。
それに加えてグレイガ・ファルザーの力を解放する『獣化』という新システムもありますが、こちらはあまり使いませんでした。
というのも普通にチップとリンクで充分な火力があるので、わざわざ獣化しなくても最後までなんとかなるという感じです。
チップの火力が低いせいで4・5はラスボスが非常に苦戦する相手でしたが、6はとても楽に勝てる相手になっていました。こっちの火力があるからというか……グレイガはラスボスとして弱すぎるというか……。
まぁ、個人的にはストーリー上のラスボスなんてそれくらいで勝てた方が良いと思います。
過去に紹介したOneStepFromEdenというインディーゲームは、エグゼの戦闘をリスペクトしたゲームでこちらも非常に面白いのですが、エグゼ本家には本家の良さがあると再確認できました。
高速バスティングを狙うためにカスタム画面で頭を使ったり、チップコードを考えてフォルダを組んだり等はエグゼ本家でしか味わえない楽しみ。
今でも充分楽しく遊べるというのも素晴らしいですね。むしろ、大人になったからこそバトルがより楽しくなったように感じました。
こんなにおつかい多かったっけ?
「エグゼはおつかいゲー」と色々なところで評されている通り、あっち行かされてこっち行かされてというのが多いです。
今改めてやってみると確かに……っていうか、流石におつかい多すぎじゃない?と思わされました。
依頼とかサブイベントでおつかいをやらされるのは分かるんですが、メインストーリーでも度々おつかいをさせられます。
「○○エリアの2に向かって下さい!」→「〇〇エリアの1から2に向かう通路が閉まっている!一旦プラグアウトしてカギを探そう!」→「カギを見つけたからまた○○エリアの1から進むぞ!」みたいなのが多すぎる。移動速度3倍にしてエンカウントゼロにしろ~~~!!
少ない容量でボリュームを出すためには仕方なかったのかもしれませんが、それにしても無駄な移動が多すぎる~。
当時はどうだったか忘れましたが、今やるとまぁまぁ苦痛です。
ストーリーはそれなりという印象
6はエグゼの完結編というのは知っていたものの、6の冒頭で熱斗君は秋原町から引っ越してしまいます。
そんなわけで1~5でお馴染みだったキャラクターたちはシナリオ終盤までほとんど出番が無く、6の新キャラたちを中心に話が進みます。
6のストーリー自体は別に悪くなかったものの、これがエグゼの集大成って言えるかは微妙……?という感じ。
5で登場したキャラクターが6のキーパーソンなので、6から始めるとちょっと話が分からないようになっているものの、それならいっそ1~5を全部汲んだような作品にしてほしかったなぁとも思います。
エグゼは発売から20年近く経って、当時の「近未来」が「現代」になっている影響で、色々と面白いことになっている台詞や場面が多かったりします。
具体的には「インターネット」とか「ネットバトル」とか「掲示板」とか、時代の変遷で意味が大きく変わっていたり。
その辺をちょっと笑いながら遊んでみるのも良いかもしれません。「1日10時間ネットバトルの訓練をする小学生」とか今見ると面白すぎる。
当時は気にしていなかった科学省のガバガバセキュリティとか、大人になったからこそ面白いと感じるものもありますね。本来の楽しみ方とは違うかもしれませんが。
リンクナビの取って付けた感が残念
先述の通り、6ではソウルユニゾンが『リンク』というシステムに変わっています。
ロックマンのパートナーと認められたナビが『リンクナビ』となり、以降戦闘でソウルユニゾンのように使えるようになります。
リンクナビとそのオペレーターはストーリーの進行で登場し、そのオペレーターが課すサブイベントをクリアするとリンクを認められます。
イベント後はオペレーターが待っている場所に行けば、ロックマンの代わりにそのリンクナビを操作して電脳世界を行動出来ます。
インターネット上にある炎上していて進めないところを、アクアマンで消火して進めるようにしたり……とか。リベレートミッションの応用みたいな感じ。
ソウルユニゾンは4・5ではメインストーリーに組み込まれていて、対戦相手の事情やら何やらを理解した上で相手の力をもらい受けるという流れになっていました。
その点リンクナビは全てサブイベントなので、かなり取って付けた感がするのが難点です。
最初の三人はまだしも、後半の二人は本当に尺が足りないから無理矢理ねじ込まれた新キャラって感じで……。
折角ヒノケンやシュー姉ちゃんのような過去作キャラが登場しても、話には絡んでこないので浮いている感じが強いです。
リンク自体は使いやすくて良いシステムだったんだけどなぁ……。
まとめ
総じて、今改めてやってみると面倒くさいおつかいや仕様のせいで、お世辞にも遊びやすいとは言えないゲームだと思います。(あくまで今の基準で考えると、です)
それでも、今でも通じる楽しさは確かにあると言えます。ネットバトル楽しい。
気になっていたけどやるタイミングが無かった、って人は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
とりあえずVol.1だけ買ってみるのも良いと思います。そんなに値段も容量も食わないと思うので。
1から順番にやるのが良いとは思いますが、どのバージョンでもチュートリアルはしっかりしているので問題ありません。3が一番面白いって言う人が多いので、あえて3からやってみるのも良いかもしれません。
4・5は最初にやるには苦行だと思います。バスターMAXを使えば戦闘で詰むことは無くなると思いますが、単純におつかいの多さで気が狂います。