ぱぴえもんランド

治安いいよ

小説の備忘録

忘れないように、初めて小説を書いてて思ったこととかを残しておく。

次また何かやる時に0からスタートになってしまわないように。

とにかく「完成させる」ためにやったこととか心掛けたこととかが中心。

 

真面目に小説の勉強をしたい人とかには向いてないと思う。私もド素人なので。

 

 

◆はじめにやること

・何を書きたいか/書きたくないかを明確にする

何かは書きたいけど、特に何にも決まってないって状況でどうするか。

どんな話が好きか、どんな展開が好きか、どんなキャラクターが好きかとかを箇条書きにしてリストアップしてみる。

この本のこういう展開が好きだとか、この映画のこのシーンが好きだとか、このゲームのこのキャラクターが好きだとか、好きなものを集めていけば、何が書きたいかボヤっと輪郭が見えてくると思う。

それと同時に書きたくないもの、見たくないものも(リストアップする必要はないけど)心に留めておきたい。書きたくないものを書かないといけない展開になるのを極力避けるように、自分で自分に配慮しよう。

 

書いてて楽しいかどうかって言うのが月並みだけど一番大事なことだと思う。実際、楽しいな~って部分はすらすら書けたし、あんまり思いつかないな~ってところはかなり時間が掛かった。終始楽しくないんじゃ多分続かない。

例えば、拙作の主人公サチュは当初は大人のお姉さんでしたが、私はのじゃロリが大好きなのでのじゃロリに変更しました。お陰で最後まで楽しく書けました。

 

・メインテーマを決める

書きたいことが色々と浮かんで来たら、次は具体的なテーマを決める。

この段階でこれだ!と決めるのは難しいけど、「これは絶対に書きたい」というメインテーマを持っておくとブレにくくて良い気がする。

書いてる途中に何度も「私は一体何が書きたいの?」と自問自答することになるので、それに対する回答という意味でも必要。これが無いと何度も書いては消してをしてしまうことになる。なった。

私は何度か書いては消してを繰り返してからメインテーマをやっと決めたけど、最初から決めておいた方がスムーズだったなぁと思った。

 

よく「流行りに乗っかるのはダメ!好きなものを書こう!」という意見が散見されるが、流行ってる話が自分にとって好きなテーマなら気にせず書いて良いと思う。

別に流行りに乗るのは悪いことじゃないし、流行りの逆を書けば良いってわけでもない。

 

・今回の話をどこまで書くか決める

メインテーマを決めたら、最初に作った書きたいものリストから取捨選択をしていく。

今回はその中でどれを使おう、と選んでいく感じ。メインテーマにそぐわなそうなものは外していく。

好きなものを書こうとは言ったが、好きなもの全部盛りセットは終わりが見えないので完成しないと思う。

この一作に全部詰め込む必要はない。入れられなかった好きなものは、また次の機会に入れれば良い。

手抜きをしろってわけではなく、最初から完璧にやろうとしない方が良いって感じ。

 

 

◆書き始めてから

・とりあえず書いてみる

最初にとりあえず思うがままに書きまくってみた。上ではじめにやることとか書いたけど、実際はそんなの何もやってなかったし、とりあえずで書きまくった。

その時書いた文はほぼ全部使わなかったし、キャラや舞台設定もほとんど変わった。結果だけ見ると全部無駄に終わったようにも見える。

それでも『とりあえず書く』と言うのは大事だったと思う。最初の一歩が踏み出しにくいわけだし。

とは言ってもこれは流石に効率が悪すぎるので、次からはちゃんと考えてから書くようにしよう。一回やって経験値も貯まったし。

 

・始まりから終わりまでの流れを箇条書きにしてみる

まずスタートとゴールを決めて、それまでの間に何をやりたいか、何が入れられるかを考えて足していってみる。

これに絶対従う必要はないので、気負わず好きなように書く。

後からこれ書くならこれも必要だって感じで足したりしても良いし、これは別に書かなくても良いって思ったら削れば良い。大胆に削っちゃおう。

 

・キャラクター設定はこの辺りの段階でやっておく

話の流れを組んでみて、話を成り立たせるのに必要なキャラクターを書き出していく。

主人公、メインキャラ(主人公の次に出番の多い脇役)、その他の脇役、という感じで大雑把に三種類に分ける。

キャラ設定はメモ帳に纏めておいて、本文を書いている途中に「ここどうだったかな?」とすぐに開いて見返せるようにした。特に人称や口調については参照することが多いので見やすくしておいた方が良いと思った。

本文を書いてる最中にキャラ設定を足したり変えたりした場合は、随時キャラ設定を書き変えておく。後でどっちが正しいのか分からなくならないように。

 

主人公とメインキャラは詳しく設定を決めた方が良い。他の脇役に比べて出番が多い分、ブレが生じた時に読者に伝わってしまいやすい。

本人も自覚していないであろう本来の性格(裏の・真の性格)と、それによって生じる表向きの性格(どうありたいか・どう見せたいか)というのを決めておくのが大事だと思った。

その辺りを決めておくとこのキャラはどう動くか、どう話すか、などが考えやすくなる。

脇役に関してはそこまで詰める必要は無いと思う。余裕があったらやってもいいけど。

 

気を付けたいのは、ここで細かく決めたキャラ設定を全部使う必要はないということ。

あくまで自分が書くために使う資料だと思っておく。

 

・下書き段階は詰まったらどんどん飛ばしていく

箇条書きを終えたらそれを実際に書いていく。でもこの段階は下書きなのですーいすい書いちゃう。

そのシーンに入れたい会話とか描写を書いていって、詰まったらどんどん飛ばして先に進もう。

会話と会話の間にいれる地の文が思いつかない……ってなったら「※なんかいい感じの描写を入れる」とか適当な注釈入れて飛ばしちゃう。

 

この段階が一番時間が掛かるので、飛ばせるところはどんどん飛ばす。

最初から百点満点を目指そうとしないで、とりあえず中身スッカスカの30点とかで良いのでゴールを目指す。後から精度を上げていけば良い。

「今日はこのシーンを書く」と決めておいて、書き切れなかったらもうその後は全部飛ばして明日は次のシーンに行っちゃおう。このシーン終わってから……ってやろうとするとマジでいつまで経っても終わらない。

 

下書き段階では終わりを目指して突っ走る以外のことはしない方がいい。

「やっぱり前のシーンでこうした方が……」ってなっても注釈入れるくらいにして、直すのは全部後回しにする。戻って書き直したりしない。

整合性が取れてなかろうが、伏線回収出来てなかろうが、最初と最後でキャラの性格が違かろうが構わない。直すのはこの段階じゃない。

この段階でいちいち後ろに戻って書き直してたら永遠に終わらない。

 

・一回で完璧なものは作れない

ゴールまでの下書きが終わったら、頭からまた振り返って書き足したりしていく。

ここで下書きですっ飛ばした部分を具体的に書いたり、整合性を取るためにリメイクしたりしていく。

後の展開のための伏線を入れてみたり、逆に使わなかった伏線を削ったり。例えば拙作ではパルイーフがとても記憶力が良いという設定が伏線としてあったのですが、後になってそれを活用するシーンを削ったので、記憶力の良さを仄めかすシーンも全部削りました。

 

この段階でも仕上げではないので、詰まるところは飛ばしてしまおう。頭から順番にやらずに書きたいところ、書けそうなところからやってしまっても良い。

納得いくまでこれを繰り返す。30点の出来だった骨組みに、少しずつ肉付けをしていって50点、60点、70点を目指していく。最初から100点を目指さなくていい。

スッカスカではなくなって、ちゃんと文章として成り立ってるな~ってくらいまで出来たらOK。

 

・仕上げ

80点くらいの出来になったらやっと仕上げに入る。

からしっかり読み直して、誤字や脱字、表記の揺れなんかをチェックしていく。

キャラクターの口調とかは特にブレていたりすることが多いので要チェック。

この段階はとにかく読むしかないと思う。何度読んでも誤字脱字は出てしまうけれど、人に見せるものなんだからなるべく減らしておきたい。

 

Wordを使ってるなら文章校閲機能が結構役に立った。あの赤とか青で波線引かれまくるアレ。

初期設定のままだとやかましいくらい線を引かれまくるので、色々調べてカスタマイズしてみよう。

何度も自分が書いた文章を読んでると目が滑ってくるため、明らかなミスに線を引っ張ってくれるのは有り難かった。

のじゃロリとお嬢様の口調は全部に波線引かれたけどね……。

 

 

◆書いてて分かったこと

・書いている最中はとにかく自己暗示をする

ずっと書いていると「こんなの面白いの?」と自問自答してしまうことが多々あります。

そんなときは即答しましょう。面白い!!!!これは面白い!!!!!!俺は面白い!!!!!!!!!面白い!!!!!!!!!!!

実際にはクソつまらないかもしれません。でもそんなの完成して読んでもらってみなきゃ分かんないもんね。完成もしてないのに面白いも面白くもないもないです。

自問自答したところでモチベ下がるか、つい戻ってリメイクし始めるかのどちらかです。うるせぇ!面白いんだ!余計なことすんな!!!!

 

「完成しない名作より、完成した駄作」

書きながらずっと自己暗示に使っていた言葉です。

決して駄作を作っていたつもりはありませんが、自分の頭の中にしかない面白い名作よりも、アウトプットされた面白くない駄作の方がずっと価値があるはず。

この世界は完成させて公開しないことには経験値が貯まらないシステムとなっているため(暴論)。

 

・自分の思い描いたイメージを100%正しく伝える必要は無い

人物の容姿の描写とか難しいな~とか思っていたが、別に細かく伝えようとする必要は無かった。

髪型がどうだとか、髪の色目の色肌の色身長体重~~~なんてずらずら書かなくていい。

最低限伝えておきたい要素(誤解してほしくない部分)だけ書いておけば、後は読者が想像してくれる。その想像が作者の想像と全然違おうが全く気にする必要はない。

あと、現実世界が舞台でないならわざわざ「美少女」とか「イケメン」とか書く必要ない。読者は基本、美男美女で想像してくれる。

 

・脇役の描写に拘り過ぎない

脇役はあくまで主人公の物語を盛り立てる役で、主役を押し退けるようであってはいけない。

基本的にメインテーマは主人公が何かを成し遂げるものであるので、主人公を動かしていかないと物語はいつまで経っても完成しない。

脇役に愛着を持つのは構わないが、あくまでも主人公がメインということを忘れないようにする。主人公よりも愛着が湧いてどうしようもなくなったのなら、いっそのことその脇役を主人公にしてしまった方が良い。

 

・癖のある手法は避ける

叙述トリックとか信用できない語り手とかパートごとに視点が変わるとか、そういう難しそうな手法に初心者は手を出さない方が良いと思った。

やりたいのは分かる。上手くいったらかっこいいってのも分かる。でも慣れてないうちにやるのは少々無謀。慣れてきて勉強してやった方が良い。

多分作者も「何じゃこりゃ?」って出来になるし、読者も「何じゃこりゃ?」ってなると思う。

 

そんなわけで拙作では主人公サチュの一人称視点でずっと進みます。作者も読者も混乱しにくくて良いと思う。

これだと主人公視点で分からないことが描写出来ないのがデメリットではあるが、見えていないものは描写しなくて良いと考えれば逆にメリットとも言える。

 

・詳しく細かく書くのはかえって逆効果

拙作の最初の方にある「見覚えのない部屋で目を覚ますシーン」では、部屋のレイアウトだ何だは一切描写していません。ベッドと姿見のことくらいしか書いてない。

だからと言ってベッドが遊戯王置きされた意味不明な部屋というわけではなく、いわゆる「普通の部屋」を想定しています。この「普通の部屋」がどのような部屋なのかは読者の想像に委ねています。

いやいや、そんなの人によって違うじゃん。良いんです。人によって違うんです。100%正しく伝えようとする必要なんてありません。

ちゃんと丁寧に状況を伝えようとして「机があって本棚があって椅子はこういうデザインのものがこんな風に置いてあって……」なんて書いたら、読んでてやかましいだけです。丁寧に書いたつもりがとても不親切な文になってしまいます。

 

要するに、作者の親切心が読者にとってノイズになることが多々あるということに気を付けておきたいということ。

今使うもの、後で使うもの(伏線)、書かないと不自然なもの、の三つだけを描写すれば良いかなと思った。