
アウラルと光の竜~Gathering Light~
EXダンジョンまで制覇したので、感想や紹介などを書いておきます。
キャラ別の感想記事はコチラ↓(ネタバレ注意!)
『アウラルと光の竜』、略称「アウひか」はモンスター娘が活躍する非R-18の同人RPGツクール作品です。DLSiteで販売されていますが、エッチなやつじゃないです。
もともと『アウラルと光の竜~魔王病と古の秘宝~』という前作がフリーゲームで公開されており、本作はこれの前日談に当たる作品です。(※FEで例えると封印の剣と烈火の剣の関係みたいな感じ。制作は後だけど、時系列は前)
SNSのフォロワーさんがプレイしているのを見て興味が湧き、自分でもやってみたらドハマりした名作です。ゲームとしても物語としても良かった。

本作はアルラウネ(※女性の姿をした植物のモンスター)が主人公のRPGという、なかなか珍しい作品となっています。
そして旅する彼女の元に様々なモンスター娘たちが集っていき、なんやかんや世界を救うために戦うことになる……というのが話の大筋。
エッチなゲームではないし、男が絶滅した(男がいないものとして扱われる)世界ってわけでもないんですが、モンスター娘がそもそも苦手な人には流石に向いていないと思います。
そうでなければ、RPGとしてとても良く出来ているのでオススメの作品です。
以下、このゲームの紹介と感想です。
重大なネタバレとかは特に無いので、買おうかどうか迷ってる方は参考にどうぞ。
プレイ時間は35時間くらい。EX(※クリア後ダンジョン)も含めると40時間くらい。
進め!異種族連合軍!



前述の通り、主人公はアルラウネ娘のアウラル。剣士で商人な隻腕隻眼のおばちゃんです。属性過多。
千年前に魔王を倒し、相打ちになって眠りについた光の竜──それを讃える人間たちの祭りを一目見ようとやって来たところから物語が始まります。
と言ってもこの世界では基本的に人間とモンスター及び異種族は相容れない存在で、ワーウルフなどのヒトに近しい種族でさえ、人間とは壁を作って生活しています。
アルラウネなんかは植物由来のモンスターなので、価値観の違いから意思疎通が絶望的で、見つけ次第逃げるか焼くかしないといけないくらいの危険な種族とされています。
変わり者のアウラルは人間と仲良くしようと接していますが、凄まじい勢いで迫害されています。(※アルラウネという種族を考えると至極当然の扱いであり、アウラル自身も納得してはいる)
そんなわけで、『モンスター娘はなんか可愛いから許されている』ということなどは無く、絵柄に反して結構シビアでシリアスな世界観です。
と言っても、ゲーム全体の雰囲気としては明るいと思います。こういった世界観だからこそ、暗くなりすぎないように気を遣っているのが感じられます。
登場人物も基本的に明るく前向きな性格のキャラクターが多いため、安心して話を読み進められるというのも嬉しいところ。
シビアな世界観を真っ向から描きつつ、それでいて陰鬱な気分にはさせないという配慮が行き届いているように思えました。
色々とネタバレになってしまうのであんまり詳しくは語れないのですが、アウラルという主人公が好きになって来たあたりでグッと引き込んで来る話の構築が素晴らしい。
男もちゃんといます



美少女ゲームにおいて、男の存在は抹消されるか全て顔無しのモブにされがちなことが多いのですが、本作はちゃんと男も活躍してくれます。
仲間キャラクターは主人公のアウラルを含めほぼ全員がモンスター娘ですが、一人だけ人間の青年がいます。
この青年グレンが、本作の話に深みを持たせるのに一役買っている良いキャラクターだと個人的に思っています。
グレンは幼少期にワーウルフに助けられたという過去があり、異種族に対して理解がある珍しい人間。
そんなわけで、(半ば上から押し付けられる形で)アウラルの監視という名目で最初に仲間になるメンバーです。
彼は人間の常識があまり通用しないモンスター娘たちと、モンスター娘を危険視して迫害する人間たちとの間で板挟みになる苦労人というポジションなのですが……



彼の信念というか、行動理念のようなものがとても良い。
誰が相手だろうと根拠も無く信頼するようなことはせず、危険な異種族が相手だろうと積み重ねた信用にはちゃんと応えるという──アウラルに次ぐ、もう一人の主人公とも呼べる存在だと思っています。
このような立場なので、人間の常識としてやっちゃいけないことをなぁなぁで終わらせず、しっかり苦言を呈してくれるのも好きなところ。
公式のキャラクター紹介を見た段階では、モンスター娘に並んで一人だけ「※男です」という注釈付きで描かれていたので、正直なところあまり良い印象は抱いていませんでした。
というのも、大体こういう立場の男キャラってハーレムの主みたいになるか、仕方無しで入れられただけでやたら影が薄いだとか、女の子の代わりに貧乏くじ引かされるだけで良いとこ無しみたいな例が多いので……。
実際やってみると、この世界・この物語においてなくてはならない人物ですし、「グレンがいてくれて良かった!」とはっきり言えるほど好きになったキャラクターでした。

ぼくもすき。
微ネタバレになりますが、グレンはパーティメンバーの誰とも恋愛関係になったりすることはないです。
理由や結論は後々語られますが、個人的にはこれも良かったと思う点。これがアウラルとグレンの恋愛の物語とかになったりすると、根本的な話が変わってしまうと思うので……。
グレンの存在が自分にとって大きかったので色々と語ってしまいましたが、「美少女ゲームに男の存在はいらないんじゃい!」という人には向いていないと思います。
ミニキャラがガンガン動くサイドビュー戦闘



本作のバトルはオーソドックスなターン制のコマンドバトルで、奇抜な独自システムなんかは特にありません。
と言ってもかなり丁寧に作り込まれているので、戦闘が大味で退屈だと感じることは無いでしょう。
画像だと分かりにくいのですが、可愛いミニキャラたちがガンガン動いて戦うので、見ていて飽きないのも嬉しい。おばちゃんのダウン状態好き。
各々の奥義スキルを使った時のカットインなんかも派手で楽しいです。
本作は戦闘バランスがしっかり作り込まれているのも魅力の一つで、仲間の一人一人が個性を活かせるようになっています。
例えば、ボス戦などでも相手の状態異常耐性なんかをチェックすることが出来るうえ、ボスであっても何かしらの状態異常が効くようになっていることが多いです。
そのため、状態異常の専門家(いわゆるデバッファー)の味方であっても腐りにくいのがとても良かった。こういうキャラって全く役に立たないか、攻略情報さえあれば強い(初見だとどうしようもない)みたいなことが多いので……。
仲間は主人公のアウラル含めて全部で九人いて、戦闘中であっても自由にメンバーチェンジが出来ます。
メンバーチェンジにターンや行動権は消費しないため、敵や状況に合わせて柔軟な対応が出来るのも嬉しい。(ただし、戦闘に参加している四人が全員倒れたら控えが残っていてもその時点で敗北)
詳しくは後述しますが、魔物娘がテーマのゲームなため、個々のキャラクターの性能も種族に沿った尖り方をしているので、ゲームシステム的にも異種族連合が協力して戦っている感があるのも本作の大きな魅力だと思います。
イージーやハードなどの難易度選択はありませんが、普通に進めていれば詰まる要素はないと思います。
低レベル進行にも対応しているらしいので、簡単すぎるようであれば雑魚敵を無視して進めてみるのもいいかも?
世界樹の迷宮っぽいスキルツリーシステム


本作はレベルアップで獲得するSPを割り振ることで、アクティブスキルやパッシブスキルを習得することが出来ます。
このスキルツリーは視覚的にも分かりやすいように工夫されていて、世界樹の迷宮Ⅳ~Ⅴを思わせるような感じ。
各キャラ2~3タイプのスキル方針があるので、自分のプレイスタイルに合わせて、キャラ間のシナジーなんかを考えながらスキルを獲得していくのが楽しかったりします。
例えばアウラルは一撃の威力が高い技を取りに行くか、多段ヒットの技を取りに行くか、それともアタッカーは他に任せて補助技を取りに行くか……などなど。
それに加えて装備品もかなり自由度が高いため、どういうビルドになるかはプレイヤーによって千差万別だと思います。ウチではずっとヒーラー運用していたキャラが、他所ではメインアタッカーになってたり、など。
そんなわけで、自分で色々考えながらコンボを探すという楽しみ方が出来るのも本作の特徴だと思います。
これがやりやすいように、いつでもデメリットなくポイントのリセットが出来るようにもなっています。思ってたのと違ったから割り振りを変えてみたり、新しい仲間に合わせて変えてみたり……。
最終的には全部のスキルを習得できるSPが手に入るようになっているので、そこまで悩まなくてもオッケー。(低レベル進行だとスキルの取捨選択が大事になってきそうですが)
とにかく丁寧に作られたRPG



戦闘やスキルツリーの項でも触れましたが、本作はRPGとしてとてもユーザーフレンドリーな作品です。
ボス戦前やダンジョン突入前には詰み防止のアナウンスがあったり、アイテムやイベントを取り逃しても後から回収出来ることを予め教えておいてくれたり、長いイベントシーンが挟まる時は先に教えてくれたり、などなど。
フリーゲームや同人ゲームのRPGでありがちな不親切要素を、これでもかというくらい丁寧に取り除いてくれています。
これのお陰で、攻略情報とかに頼らずとも、最終的には全要素を回収できるようになっています。
個人的には、これが本作で一番良かった・真似してみたい点だと感じました。
ユーザーが躓かないようにするためには、こういう風に優しくすれば良いのか……というのを学べます。
優しいとは言っても、雑な救済でハイパー無双状態になるとかいうのはなく、とにかく丁寧に・真摯にユーザーに寄り添ってくれている感じがするという意味です。
そういった意味では、本作はゲーム制作をする上でもとても勉強になった作品だと言えます。
物語は三部構成の長編

物語は前編、中編、後編の三部構成となっています。
ざっくり言うと、仲間がどんどん集まっていく前編、物語が大きく進む中編、魔王の復活を阻止するために戦う後編、という感じ。
前編~中編は基本的に一方通行の一本道ストーリーで、サブイベントとかもあまりありません。
そんなわけで中編までやっている間は、話は面白いものの正直自由度は低くてRPGっぽくはないかな~と思っていました。前に行った場所に戻ったりすることも無いですし。
しかし、(ネタバレになるのであまり詳しくは言えませんが)ゲームに慣れた後編になると一気に「RPGらしさ」が出てくるのは、とても良く出来ていると思います。
これが自分には凄く合っていたゲームデザインでした。
いきなり「さぁ自由に動いて!」とするのではなく、しっかりこの世界や物語の魅力を見せた上で、「さぁ君はこれからどうする?」と問いかけられている感じ。
クリア時間が大体30時間と書いたように、結構長いストーリーです。ただ、無駄に引き延ばされているな~と感じるところはあまりなかったので、濃密な30時間だったと思います。
まとめ







アルラウネのアウラルと、彼女の元に集った仲間たちが辿った光の物語。
イロモノ……というか最早キワモノな属性の主人公と、モンスター娘たちが仲間という癖の強そうな作品でしたが、いざやってみたら熱い王道の物語でした。
個人的には何度か語りましたが、アウラルの人柄や、グレンのキャラクター性や立ち位置が特に好きになりました。
アウラルの過去について触れられるのが、プレイヤーがアウラルのことを好きになってきた中盤にやっと……という話の作り方も上手い。
また、モンスター娘が各々の個性をちゃんと活かしている話やゲームシステムになっているのも良い。
話の作り方としても勉強になりましたし、親切なゲームっていうのはこう作るんだという勉強にもなりました。心の底から、やって良かったと思える作品です。
続編も現在制作中のようで、こちらは普通にエッチなゲームらしいです。
世界観は共通らしく、アウひかのメンバーキャラの一人は出るみたいですが、アウラルやグレンは出ないのかも?
ゲストキャラやNPCとして、本作のキャラクターたちがまた見られるなら楽しみなところ。
いや、エッチなゲームとか全然キョーミないですけどね 本当 純粋にゲームとして気になるだけで エッチ部分とかどうでもいいし は? 嘘じゃないが?