病気についてゆる~く紹介する記事その2です。
その1はコチラ↓
※注意
あくまでゆる~くなのでこれが絶対正しいとは思わないようにして下さい。へ~そうなのか~くらいの心持ちで読んで下さい。
ややこしい表現を避けるためにあえて簡略化・言い換えをしている箇所があります。詳しい方が見たらブチギレてしまうかもしれませんので、詳しい方は見ない方がいいかもしれません。(いい加減なことを書いているわけではないです)
病気の治療を手助けするようなページではないです。困っていることがあれば病院や薬局で相談しましょう。
病名の知名度調査にはこちらのアンケートを使わせていただきました。
回答にご協力下さった方ありがとうございます。
その2は「知名度がそれなりの病気」について紹介していきます。
よく知られている病名たちに比べるとそこまででもなく、マイナーとまではいかないようなあたり。要するにその1とその3の間です。
名前はなんとなく聞いたことあるってものが多いんじゃないでしょうか。
続きから紹介していきます。
糖尿病
糖分は身体にとって大切なエネルギー源の一つです。
特に脳は糖分しかエネルギーとして受け取らないグルメさんなので、糖分が足りないと頭が働かないというのはマジです。
一方で、糖分が有り余ってしまうと色々な問題を引き起こしてしまいます。
『糖尿病』はそんな風に糖分が上手く処理できず余らせてしまう病気です。
・糖分が余ると何で良くないの?
甘いものをイメージして分かるように、糖分はとてもベタベタしています。
余った糖分は血液の中を漂うのですが(『血糖』と呼びます)、その時に血液中で働いている『赤血球』や『白血球』といった細胞たちにベタっとくっついてしまいます。
糖分にくっつかれると血球たちは上手く動けなくなってしまいます。
例えば白血球は身体に入ってきた細菌やウイルスを退治するのが主な仕事ですが、糖分にくっつかれると足が遅くなって敵を取り逃がしまくってしまいます。
そのせいで糖尿病の人は風邪などの感染症に罹りやすいわけです。
更に、糖分とくっついた血球たちはかなりデカくなってしまうため、普段は通れたはずの細い血管に引っかかってしまうことがあります。
そいつらが渋滞を起こして血管を詰まらせてしまうことで、血の巡りが悪くなり、その先の臓器に血が回らなくなります。
そうなると目の血管が詰まって失明したり、腎臓の血管が詰まって腎不全を起こしたりしてしまうことがあるのが糖尿病の恐ろしいところです。
・甘いものを食べすぎると糖尿病になるの?
糖尿病の原因は糖分の摂りすぎよりも、血糖を処理してくれる『インスリン』というホルモンが足りないor上手く働いていないというのが主な原因です。
このインスリンが減ったり働けなくなったりするのは、遺伝や体質などの影響が大きいと言われています。
基本的に太っているとインスリンが弱りやすいのですが、場合によっては痩せている人でもインスリンが減ってしまうことはあります。
糖尿病の人が甘いものを食べまくると、当然の如く症状が悪化するので控える必要があります。
逆に甘いものを食べまくったからといって必ず糖尿病になるわけではないです。重要なのはインスリンです。
前述の通り、太っているとインスリンが弱りやすいので何にしても食べすぎは良くないのですけれど。
・インスリン(インシュリン)って自分で注射するやつ?
糖尿病の薬には直接インスリンを身体に入れるものと、間接的にインスリンを増やしたり血糖を減らすものがあります。
インスリンは口から入ってもすぐに分解されてしまうので、消化管を介さずに注射で身体に入れる必要があります。
一方で、間接的にインスリンを増やす薬は消化管を通しても平気なので主に錠剤で使われています。
糖尿病の種類によっては間接的タイプの薬が効かないことがあるので、そういった人はインスリンの注射が必要になってきます。
注射と言っても採血で使うようなものとは異なり、ほとんど痛みの無いとても細い針が使われます。
血糖値は甘いものでなくとも食事をすれば増えるものなので、基本的に一日三回食事の度にインスリン注射をする必要があります。
毎日刺すのにそんな痛かったらやってられませんからね。
・なんで糖尿病って言うの? 尿が甘くなるの?
最初に述べたように、糖分というものは身体にとってとても大事なエネルギー源です。
本来は糖分を尿として捨てるなんて勿体ないことなので、糖分様には尿になる前に身体に戻る専用のバイパスがご用意されています。
しかし、糖尿病になるとあまりに糖分が多くなってしまい、このバイパスが渋滞を起こしてしまいます。そのせいで身体に戻れずに尿として捨てられる糖分が出てきてしまうわけですね。
「本来尿に出てきてはいけない糖分が、尿に出てくるくらい血液中で余っている」という意味で『糖尿病』という名前が付けられました。
尿に糖分が出てしまうのが悪いわけではありません。むしろ捨てられるのであれば尿から捨ててしまった方が良いのです。
結論として、糖尿病患者の尿は糖分が含まれているので甘いと思います。知らんけど。(※不衛生なので絶対に舐めたりしないで下さい)
痛風(高尿酸血症)
身体が細胞を作ったりした際に生じる残りカスを『尿酸』と言います。
この尿酸が出過ぎちゃったり、上手く捨てられなかったりしたせいで身体に溜まっちゃった状態を『高尿酸血症』と言います。
高尿酸血症には何の症状も無いのですが、しばしば集まった尿酸のせいで関節に激痛が走ることがあります。これが『痛風』の発作です。
風が吹いただけでも痛い、という名前から相当な痛みだというのが分かりますね。
・痛風っておじさんがなる病気でしょ?
その通り、おじさんがなる病気です。歳を取ってくると尿酸を捨てる機能が段々弱ってしまうのが大きな原因みたいです。
逆に女性が痛風になることは滅多にありません。女性の痛風は痛風患者の100人に1人いるかいないかレベルです。これほど男女比が偏っている病気はとても珍しい。
女性は尿酸を捨てる機能が強いのと、痛風が生じるまでのボーダーラインが物凄く高いのが理由だと考えられています。
・プリン体が良くないって聞いたけど、プリン体って何なの?
プリン体は細胞を作るための成分の一つで、これが最終的に尿酸になります。
つまりプリン体を摂りすぎると尿酸も増えてしまうので、痛風が起こりやすくなるということです。
昔は贅沢な食生活をしているとなる病気だと考えられていたので『贅沢病』など呼ばれていましたが、今では普通の食生活をしていても結構なプリン体が身体に入っています。
ビールのCMなどで「プリン体ゼロ」という言葉を聞くことがあると思いますが、そもそもアルコールには尿酸値を上げる作用があります。
プリン体ゼロのお酒を飲んでいても痛風になる時はなります。気を付けましょう。
・どうして痛風になると関節が痛むの?
捨てられなかった尿酸は、集まると尿酸結晶というクリスタルみたいなものを作ります。
このクリスタルを見つけた白血球は、異物(外敵)だと判断してパクっと食べちゃいます。
そこまではいいのですが、このクリスタルはめちゃくちゃトゲだらけなので、これを食べた白血球は風船のように弾けて死んでしまいます。
死んだ白血球は「ここに超ヤバい敵がいるぞ!!」とダイイングメッセージをばら撒きます。それによって白血球の仲間たちが大量に駆け付けます。
そうして大量に集まった白血球が敵も味方も関係ない大暴れを始め、その場は戦場と化し激烈な痛みが迸ります。これが痛風の発作です。
原因である尿酸結晶は関節に集まりやすいので、関節が戦場になりがちというわけですね。
足の小指の関節なんかは非常によく集まるスポットです。なんでも骨折したと勘違いするほどの痛みなんだとか。
胃潰瘍(消化性潰瘍)
胃は入ってきた食べ物を溶かすために、非常に強力な『胃酸』を出しています。
胃自身は粘液(バリア)に覆われているので、この強い酸から身を守ることが出来ています。
しかし、胃酸の量が増えすぎたり、バリアが破られたりすると、胃は自分の出した胃酸でダメージを受けてしまいます。そのせいで胃に穴が空いてしまうのが『胃潰瘍』です。
増えすぎた胃酸は、胃と小腸を繋ぐ十二指腸という消化管に穴を開けたりすることもあります。
こちらは『十二指腸潰瘍』と呼び、胃潰瘍と十二指腸潰瘍を纏めて『消化性潰瘍』と呼ばれています。
胃潰瘍は中高年に多く、十二指腸潰瘍は若年層に多いなどの違いがあります。原理や治療法は大体同じです。
・胃に穴が空くって本当?
胃はいくつかの層が重なって出来ています。この層の浅い部分が削れた状態を『びらん』、深い部分まで削れた状態を『潰瘍』と呼びます。
浅い部分は粘液を出すだけの層なのですが、深い部分には血管とか筋肉とかが通っていて、ここが削られるとめちゃくちゃ痛いわけですね。
なので『潰瘍』は「穴が空いた」というより「深く削れてしまった」というのが正しい表現だと思います。
びらんが悪化すると潰瘍になり、潰瘍が悪化すると最後には『穿孔(せんこう)』になります。
こちらは本当に穴が空いてしまったという意味で、冗談抜きで死に直結するほど危険な状態です。穴から漏れ出た胃酸が色んな臓器を溶かしてしまいます。
胃腸は本来ものすごく丈夫な構造をしているのでそう簡単に穴が空くようなことはありません。
『穿孔』というのはコンクリートに穴を開けるときに使うような言葉なので、胃腸に穴が空くと言うのはそれほどヤバい事態だということですね。
・ストレスが原因って聞くけど?
人の脳はストレスを受けると、なんやかんやあって胃酸を増やして粘液(バリア)を減らしてしまうという働きが生じます。
「ストレスを抱えがちな人は胃に穴が空く」という認識はここから来たものだと思います。
これも間違ってはいないのですが、現代ではストレスのせいだけで潰瘍が生じるというよりは、様々な原因が合わさって潰瘍に発展するという考え方が主流です。
アルコールやコーヒー、熱すぎるものや冷たすぎるもの、辛いものや刺激の強いものとかは胃に負担を掛けやすいので原因になり得ます。と言っても過剰に摂りすぎなければ問題ないです。
ほかにも食事の時間が不規則だったり寝る前に食事をしたりすると、胃がいつ働けばいいのか分からなくなって負担が増えたりします。
他には頭痛薬や痛み止めには胃が荒れやすくなる成分が入っていることが多いので、サプリ感覚で飲みまくっているとマズいです。用法用量はちゃんと守りましょう。
・ピロリ菌って何?
ピロリ菌は胃潰瘍の最も大きな原因です。胃潰瘍の人の約7割がピロリ菌のせいだとされています。
菌は普通、胃液の強い酸性の中では生きていけません。溶かされて死にます。
菌の中で数少ない例外がピロリ菌です。こいつらは酸を中和するバリアを張って胃の中を泳ぎ回ります。そして胃の壁に突き刺さって穴を掘るというとんでもないことをしてきます。
ピロリ菌が原因だと分かった潰瘍の人は、薬を飲んで除菌すればほとんど良くなります。逆に除菌しないと治療してもまた潰瘍を起こしてしまいます。
ピロリ菌は井戸水に生息していて、井戸水を飲んでいた昔の人はみんな身体の中にピロリ菌がいたと言われています。
と言っても現代の若い人の胃にもピロリ菌がいることがあるので、井戸水のせいだというのは説明がつかないですね。つまり謎です。何故かいます。怖。
てんかん
体中の神経は微弱な電気を発して信号のやり取りをします。
この電気信号を使って、目や肌で受け取った感覚を脳に伝えたり、逆に脳から身体を動かす様に指令を出したりします。
『てんかん』は脳に何かしらの異常があり、突然脳内に雷が落ちてしまうような病気で、発作が起きると強烈な雷でこれらの電気信号がめちゃくちゃになってしまいます。
そのせいでバグが発生し、身体が動かなくなる痙攣が起こったり意識が飛んでしまったりします。
ちなみに漢字で書くと「癲癇」なのですが、難しすぎるのでひらがな表記されるのが普通です。
・てんかんって子どもの病気じゃないの?
3歳以下の乳幼児が罹ることが多いですが、大人でも起こり得る病気です。
脳の病気なのでうつ病などと同じように大半は発生の原因がよく分かっていません。
ただ、脳に何かしらのトラブルがあると、それに続いててんかんが生じることもあります。
アルツハイマーなんかも原因の一つなので、乳幼児の次に多いのが高齢者のてんかんです。
・痙攣(けいれん)するだけじゃないの?
てんかんと言うと痙攣が生じる病気だというイメージがあると思います。
ですが最初に述べたように脳内に雷が落ちる病気なので、そのショックで意識が飛ぶこともあります。
てんかんには様々な種類があり、全身で痙攣が起こって意識も飛ぶようなものもあれば、身体の一部がピクっと動くだけで意識は飛ばないようなものもあります。
意識は飛ぶけど痙攣は起こさないというてんかんもあり、これは子どもに多いです。
何かをしている最中に急に動作を止めてボーっとしていたと思ったら、実はボーっとしていたのではなくてんかんの発作で意識が飛んでいたということがありえます。
意識が飛んでいることに本人は気付けないため、周りの人に気付いてもらう必要があるのですが、注意力・集中力が無いだけだと思われて気付かれないケースもあります。
・急に意識が飛んだらマズくない?
例えば車を運転している最中にてんかんの発作が起きて意識が飛んだ場合、大事故を起こす可能性があります。
しかし、てんかんを抑える薬を飲んでいれば発作が出ない状態をキープすることが可能で、健康な人と変わらない生活を送ることが出来ます。
自動車免許はてんかんだと取得できないなんてことはなく「てんかんの発作がこれまで2年以上出ていないならOK(要するに安定しているならOK)」という条件をクリアすれば取得できます。(※ただし大型免許などは推奨されていません)
てんかんの薬は一生飲み続けなければならないというものではありません。
飲んでいて発作が出ない状態をキープ出来ているなら、長いスパンで少しずつ減らしていって、最後には薬をやめることも出来ます。
薬をやめて何年か経っても発作が出ていないのなら治ったと判断されます。
がん
身体を構成している細胞というものは必要なときに分裂して増えて、必要なくなったら分裂を止めてを繰り返しています。
例えば擦りむいて怪我をしたとき、そこの細胞は元通りに修復しようと分裂して増えます。元通りになったら分裂を止めるのでメチャクチャな修復がされることはありません。
細胞はこのように計画的に分裂(アクセル)と停止(ブレーキ)を繰り返して一定のバランスを保っています。
しかし、たまに『がん細胞』というバグった細胞が生まれてしまうことがあります。
こいつは普通の細胞と違ってブレーキがぶっ壊れており、無計画に自分を分裂させまくってしまいます。分身もまたがん細胞なので、ねずみ算式にどんどん増えてしまいます。
がん細胞は増えることしか考えていないため、細胞としての普通の仕事は行ってくれません。ただただ栄養を食い続けるごくつぶしです。
そんなのが増えまくってしまうと、上手く動かなくなる臓器が出てきてしまいます。
例えば肺でがん細胞が増えまくって呼吸が苦しくなったり、胃でがん細胞が増えまくって食べ物が上手く消化できなくなったり。これが『肺がん』や『胃がん』です。
・何が原因でがんになるの?
細胞は『遺伝子』という設計図を元に作られています。
遺伝子が傷つくと設計図が歪むことになり、そのせいでがん細胞が出来てしまいます。
遺伝子が傷つく原因として、発がん物質と呼ばれるものを何年もかけて溜め込んだ結果ではないかと考えられています。
例えば、肉や魚を焼きすぎて焦げた部分とかには(ごく微量ですが)発がん物質が含まれているため、あんまり食べないようにした方が良いんだとか。
と言ってもそれが即がんに繋がるとは考えにくいので、過剰に避ける必要はないと思います。(※あくまで個人的な考えです)
・がんは治らない病気なんでしょ?
がん細胞は身体の色んなところに移動してしまうことがあり、気付いたらあちこちにがん細胞が出来ていることがあります。
これを『転移』と呼び、手術でがん細胞の塊(腫瘍)を取り除いても隠れていた小さながん細胞がまた転移を起こして再発することがあります。
がんに対しては『完治』という言葉はあまり使いません。その代わり『寛解(かんかい)』という言葉が使われるのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
その性質上、治したと思っても見つけられないレベルのものが隠れている可能性が否定できないため「今出来る範囲では良くなったはず」という意味で『寛解』と言われています。
転移するかもしれないから「完全に治った」とは誰にも断言できないわけですね。
がんが不治の病だと言われているのは、このように転移と再発が起こりやすいのが主な原因だと思われます。
ただ、がんには色々な種類があり、ほとんど転移しなくて悪影響が少ないものもいます。がんなら全てが治らない病気というわけではないです。
転移しやすいものであっても、昔に比べて治療法がたくさん増えたので「手の施しようのない不治の病」というのは少し古い考えです。
ただ、他の病気に比べて治療が難しいというのは事実ですし、根本的な解決が難しいのでかなり大変な病気であるのは間違いではないです。
・『がん』と『癌』ってどう違うの?
がんには色々と分類があり、どういう視点で見ているかによって呼び方が変わってきます。
ひらがなの『がん』は分類全てをまるっと含み、漢字の『癌』はがんの中に含まれるある一つの種類を指しています。
例えば『がん』を『ファイアーエムブレムシリーズ』とするなら『癌』は『聖戦の系譜とトラキア776』みたいな感じ。(※たとえ話であってFEに対する暴言ではない)
蒼炎の話をしながら「ユグドラル大陸は~」って言ってたらなんか変ですよね。
なので基本的にはいつもひらがなで表記すれば間違いないと思われます。
『ぜん息(常用漢字ではないため)』や、『てんかん(難しすぎるから省略している)』とは事情が異なるわけですね。
白血病
『白血病』は血液の『がん』とも言える病気です。
血液を作る細胞ががん細胞になってしまい、役に立たない血液をたくさん作ってしまうようになります。
他のがんと同じように再発しやすく、完全な治療が難しいのが特徴です。
・血が白くなるの?
『はたらく細胞』を見たことがある方ならイメージしやすいと思いますが、血液の中には大きく分けて三種類の細胞たちが存在します。
『赤血球』は全身に酸素の運搬を行っており、『白血球』は全身をパトロールして侵入してきた細菌などを退治して、『血小板』ちゃんは止血を行うのが主な仕事です。
『白血病』はこのうち白血球を役に立たない状態でめちゃくちゃ作ってしまうようになる病気で、そのせいで正常な赤血球・白血球・血小板の量が減ってしまいます。
「ダメな白血球をいっぱいつくる病気」というのが正しい意味で、実際に血が白くなるわけではありません。
最初にこの病気を発見した学者は、死亡した患者の血が白っぽくなっていたから『白血病』と名付けたそうです。
ただ、実際には白血球がいくら増えたところで血の色はせいぜい灰白赤色くらいにしかなりません。
これは血液のほとんどが赤血球の赤色で占められているためで、赤色が無くなるくらい赤血球が減ったら人は死にます。死んだら白血球も増えないため、生きているうちにも死んだ後にも血が白くなることはないのです。
何か別の理由で白く見えたのか、後から話が誇張されたのか、真相はよく分かりません。
・白血病になると何が悪いの?
白血病は色々な種類がありますが、ここでは急性の白血病について紹介します。
赤血球や白血球たちは血液を作る細胞で生まれ、一人前になるまで成長してから血管(社会)に飛び立ちます。
しかしこの血液を作る細胞ががん化してバグってしまうと、白血球がまだ産まれたばかりの赤ちゃんの状態で血管に送り出されてしまいます。
赤ちゃん白血球は当然ながら細菌やウイルスを食べることが出来ませんし、働いてよ~なんて命令されても理解すら出来ません。しょーがねーだろ赤ちゃんなんだから。
こうなると感染症に罹りやすくなってしまい、すぐ風邪などをひいて寝込んでしまうようになります。
また、がん化した血液を作る細胞は赤ちゃん白血球を作ることにばかり集中してしまい、赤血球や血小板たちがおざなりにされます。
そのせいで赤血球が減って貧血が起こったり、血小板が減って出血しやすくなったりなどの症状が起こります。
このように、放っておくとどんどん悪化してしまう厄介な病気です。
・急性じゃない白血病はなんなの?
基本的には病気において、名前に『急性』と付いたら突然症状が出るもので、『慢性』と付いたらじわじわと時間をかけて症状が重くなっていくものです。大体イメージ通りかと思います。
ただし、白血病の場合は例外的に意味が異なって使われます。
『急性』は前述したように赤ちゃん白血球が増えまくるタイプの白血病を言います。
『慢性』は赤ちゃんの他に、中学生や高校生の白血球たちも万遍なく血管に出てしまうタイプの白血病です。
中学生や高校生の白血球たちは大人の白血球と比べると仕事が出来ないものの、指示はちゃんと聞いてくれて頑張ってくれるのでなんとか身体の平穏は保たれます。
ただしその平穏も時間が経つと限界を迎えて、急性と同じような症状が現れてしまいます。
……おいおい、結局『急性』は急に症状が出てて、『慢性』は時間をかけて症状が出てんじゃねーの。意味一緒じゃねーの。
そうなんです。でもメカニズムが違うので厳密には他と意味が違うんです。難しいなぁ。
アルツハイマー型認知症
『認知症』というのは脳が小さくなってしまい、記憶や思考が今までのように上手く出来なくなってしまう病気です。
症状が重くなると自分の家が分からなくなって帰れなくなったり、コンロに火をつけたことを忘れて出かけてしまったりと危険なことがあります。
『アルツハイマー』は認知症のタイプの一つで、認知症の中でも最も多いとされています。その名の通りアルツハイマーさんが見つけたのでアルツハイマー病です。
・物忘れしすぎてヤバイ! 私、認知症かも!?
単なる物忘れとは違い、何を忘れたのかすら覚えていないというのが認知症の特徴です。
例えば、昨日の夕飯の献立を思い出せないのが『物忘れ』で、昨日食事をしたことを覚えていないのが『認知症』です。
「色々忘れすぎてヤバい」「自分は認知症なのかも」などと考えている人のほとんどはただの物忘れで、心配するようなことはありません。
認知症の人は自分が忘れていることに気付くことが出来ないので、自分が病気だなどとは思わないからです。
歳を取ると記憶力が衰えてくるのは当然のことであり、物忘れの頻度も増えてきます。
ただ、それが認知症なのか単なる物忘れなのか区別するのは難しいです。脳の中なんて見れませんし。
前述のように認知症は当人には気付けないことなので、周りの人が気付いてあげる必要があります。
歳相応の物忘れとは言い難いような症状が出ているのであれば、一度病院で診てもらった方が良いかもしれません。
・認知症になる原因は何?
認知症は脳の病気であり、様々な原因で脳の細胞が減ったり動きが悪くなったりするせいで起こっています。
脳梗塞や脳内出血などを経験したことがある人は、それが原因で認知症を起こしたりします。(※これは『脳血管性認知症』というタイプです)
一方でアルツハイマー型認知症は根本的な原因がよく分かっていません。
稀に若い人がなることもありますが、ほとんどがお年寄りの患者なので主な原因は老化であると考えられています。
老化によって脳細胞が衰えているのは間違いないのですが、やっぱり脳の病気は具体的にどうなっているのかが分からないのが現状です。
一度小さくなってしまった脳が元通りになることはありません。
また、認知症は明らかな原因はココ!というものが分かっていないため、手術で原因を取り除いたりだとかそういうことは出来ません。
うつ病などと同様に、脳内で足りていない成分があるのは分かっているので、現状はそれを薬で補充して病気の進行を遅らせることしか出来ないのです。
そんなわけで高齢化が続く現代社会では特に注目されている病気だと言えるでしょう。
骨粗しょう症
『骨粗しょう症』は骨の内側がスカスカになってしまい、骨折しやすくなってしまう病気です。
こうなると座ったり物を取ったりなどの軽い動作でも骨折してしまうことがあるため、日常生活が大変になってしまいます。
・カルシウムを摂れば良いって本当?
骨の病気と聞くとカルシウム不足だというのはよく聞くことでしょう。
事実、カルシウムは骨を作るために欠かせない成分であり、骨粗しょう症の人はカルシウムの摂取が推奨されます。
ただし、カルシウムだけ摂っていれば良いと言うわけではありません。
カルシウムが上手く吸収出来ていなかったり、ちゃんと作用していなかったりすることも考えられるので、基本的には薬の助けも必要となります。
適切な運動を行うと骨は丈夫になります。
骨折しやすい骨粗しょう症で激しい運動はNGですが、軽いウォーキングなどはむしろ推奨されています。
あんまりじっとしているのも逆に骨に良くないと言うわけですね。
・おばあちゃんがなりやすいって聞いたけど?
歳を取ると食べたものからカルシウムを吸収する能力が弱まり、骨を作る動きが衰えていきます。若者に比べて骨が脆いのはそのためです。
また、女性の場合は閉経すると分泌されなくなるホルモンがあります。そのホルモンは骨が壊されるのを防ぐ作用があるのですが、閉経後はそれが失われてしまいます。
よって骨粗しょう症はお年寄り、特に女性でなりやすい病気だと言えます。
骨粗しょう症では、身体を支えている部分の骨が骨折しやすくなります。
脊椎(背骨)は特に骨折しやすく、自然に少しずつ折れる……というより潰れていってしまいます。背骨の内側?が潰れるので徐々に前傾姿勢になっていき、段々背が縮んでいきます。
歳を取ると腰が曲がって背が縮むというのはそういうメカニズムというわけですね。
【リンク】
その1:メジャーな病気
その2:知名度そこそこの病気
(今ココ)
その3:マイナー気味な病気